昨年比「600分の1」の衝撃 日本のインフルエンザ「消滅状態」は続くのか

昨年比「600分の1」の衝撃 日本のインフルエンザ「消滅状態」は続くのか
以下は、記事の抜粋です。


インフルエンザ定点あたり報告数2019年20年比較(厚労省データより市川衛氏作成)

12月4日、厚生労働省は最新のインフルエンザの国内発生状況(11月23日~29日分)を発表しました。昨年は同時期に、全国で27,393件の発生が報告されましたが、今年は46件でした。昨年比でおよそ600分の1という、いわば「消滅状態」とも感じられる数字です。

インフルエンザの流行は、年によって前後しますが11月下旬から12月にかけて発生します。ここ10年で、1月以降に流行が発生したのは2015/2016シーズン(2016年第1週)しかありません。

2019年が青の線、2020年が赤の線です(上のグラフ)。ご覧の通り、去年はこの時期(48週)にかけて報告数が急増し流行状態になっていましたが、今年はゼロを示す横軸とほぼ一致しており、流行が起きていないことが分かります。

もちろん未来予測は出来ませんが、参考になるのが、この7月にいち早く「ウィズコロナの冬」を迎えた南半球の国々のデータです。南半球は日本など北半球と季節が逆です。日本では夏の7月ごろ、例年ならインフルエンザが流行する冬を迎えました。

AUSTRALIAN INFLUENZA SURVEILLANCE REPORT No. 10, 2020 より  一部市川衛氏により和訳・補足

グラフの期間は、2019年の3月6日から今年の9月6日までです。棒グラフが、インフルエンザ陽性となった検体数。赤の線グラフは陽性率(検体のうち、陽性になったものの割合)です。2019年には大きなピークがあり、流行が起きたことが分かります。ところが今年は、ほぼゼロです。他の南半球の国々のデータも見ましたが、同様のインフルエンザ「消滅状態」が起きていました。

なぜこの冬、インフルエンザの流行が低く抑えられたのか。オーストラリア保健省は、新型コロナウイルス感染症の流行に関連して行われた公衆衛生上の対策や、メッセージを多くの人が守っていることが、インフルエンザの感染拡大に影響を与えている可能性が高いとしています。


この冬もしもインフルエンザが少しでも流行すれば、やはり日本独特の「キャンペーン」のせいかもしれません。インフルエンザが流行しなければ、新型コロナウイルスがインフルエンザよりもあっとうてきに感染力が強いことになります。皆さん、菅さんよりも尾身さんの意見を聞きましょう。

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