スイスの製薬メーカー・ロシュは7月31日、ダウン症者の認知障害を克服するための新薬「RG1662」の国内臨床試験を開始しました。以下は、これに関連する2つの記事です。
【中外製薬】ダウン症候群治療薬、国内で治験開始
以下は、記事の抜粋です。
中外製薬は5月に、スイスのロシュから導入したダウン症候群治療薬「RG1662」の国内臨床試験を開始した。「RG1662」が持つGABAAα5レセプターアンタゴニストの新規作用機序により、薬物療法が存在しないダウン症者における知的能力の改善を目指し、国内で開発を進める方針。
ダウン症者のための最初の薬がテストフェーズへ
以下は、記事の抜粋です。
ダウン症者の認知障害を克服するための新薬が治験段階に入ったことをスイスの製薬メーカー・ロシュが発表しました。
ロシェは新薬「RG1662」を33人の成人のダウン症者への治験を行います。この薬は脳の活動の妨げとなるGABAと呼ばれる神経伝達物質に作用。これはダウン症の有る人々の記憶と学習障害を担うメカニズムと考えられています。
Journal of Neuroscienceによると既にマウスへの投与実験では良い結果が得られているとのことです。今回の治験では薬の安全性が目的ですが、研究者は運動能力や反応する時間、記憶力への影響も調査します。
highwireを”RG1662″でサーチしても原著論文は見つかりませんでした。ある程度詳しい英語の記事は見つかりました(記事をみる)。
RG1662は、厳密にはアンタゴニストではなく、a highly selective GABA-A α5 Negative Allosteric Modulatorのようです。いずれにしても、マウスの実験では非常によく効き、ダウン症患者のIQを10~15アップする可能性があるそうです。
エーザイは、ドネペジル(アリセプト®)の追加適応として、「ダウン症候群の退行様症状」の国内第II相試験を実施中だそうです。逆に、RG1662にはダウン症以外の適応は考えられているのでしょうか?また、副作用としては何があるのでしょうか?間もなく始まるという第II相試験の結果を待ちたいと思います。
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