モルヌピラビルは、「国民が安心して暮らせるための切り札になる。わが国の新型コロナ対策を大きく前進させると確信している」後藤厚労相…怪しいと思います。

コロナ飲み薬、国内初承認 軽症向け、来週から使用開始―「対策切り札に」・厚労相
以下は、記事の抜粋です。


後藤茂之厚生労働相は12月24日、メルクなどが開発した新型コロナウイルス感染症の飲み薬「モルヌピラビル」を、緊急時に審査を簡略化できる「特例承認」に基づき正式に薬事承認した。同日に厚労省が薬事・食品衛生審議会の専門部会を開き、承認を了承した。軽症者向けの新型コロナ飲み薬としては国内初となる。

自宅で服用できる治療薬の普及で、患者や医療機関の負担軽減が期待される。厚労省は、国内で市中感染が確認された変異株「オミクロン株」にも有効と判断している。政府は感染拡大に備えて26日から20万人分を全国へ配送し、最短で27日から使用できるよう態勢を整える。

後藤厚労相は「国民が安心して暮らせるための切り札になる。わが国の新型コロナ対策を大きく前進させると確信している」と期待を示した。

モルヌピラビルは、ウイルスの増殖を防ぐ働きをする抗ウイルス薬。メルクと米バイオ医薬品企業リッジバック・バイオセラピューティクスが共同開発した。国内では3日に承認申請されていた。

対象は18歳以上で、重症化リスクを持つ軽症から中等症の患者。5日間にわたり1日2回投与する。発症後6日以降では有効性が確認されていないとして、速やかな服用を求めている。妊婦は使用できない。臨床試験(治験)では入院や死亡のリスクを30%下げる効果があった。中間結果の48%から下方修正されたが、専門部会は「有効性が否定されるものではない」と判断した。


日本はモルヌピラビルをこのような形で承認しましたが、以下の記事のようにフランスは承認を見送りました。
フランス、メルクのコロナ経口薬発注を取り消し-ファイザー製に変更
以下は、記事の抜粋です。


フランスのベラン保健相は12月22日、メルクが開発した新型コロナウイルス感染症の経口治療薬「モルヌピラビル」について、治験で期待通りの効果が得られなかったため、発注をキャンセルしたと明らかにした。ファイザー製の経口薬「パクスロビド」の調達に切り替える。

ベラン保健相はBFMテレビの番組で、「最新の治験が良くなかったため、取り消さざるを得なくなった。われわれの負担は全くない」と語った。ベラン氏は「1月にも使用許可が下りる一つの治療薬が存在し、それはファイザー製のパクスロビドと呼ばれる薬だ。重症化リスクを減らす極めて有望な治療薬であり、一定量を購入済みで、1月末には入手できる」と説明した。


メルク社の発表によると、「試験対象集団において、入院または死亡のリスクはプラセボ群では9.7%(699例中68例)だったのに対しモルヌピラビル群では6.8%(709例中48例)に低下し、絶対リスク減少率は3.0%(95%信頼区間[CI]:0.1, 5.9、名目上のp値=0.0218)、相対リスク減少率は30%(相対リスク0.70、95% CI: 0.49, 0.99)」でした。

一方、以前の記事で紹介したように、ファイザーのパクスロビドは入院または死亡のリスクを89%減少させたと報告されています。

発表されている臨床試験の結果からだけですが、フランス政府の対応が正しいと思います。

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