アルツハイマー病に使われている2種類の抗アミロイド抗体薬、ドナネマブ(ケサンラ®)とレカネマブ(レケンビ®)のメタ解析による比較

次々と承認される抗アミロイド抗体、有効性に違いはあるか?
アルツハイマー病に使われている2種類の抗アミロイド抗体薬、ドナネマブ(ケサンラ®)とレカネマブ(レケンビ®)のメタ解析による比較です。以下は、記事の抜粋です。


近年、アルツハイマー病に対する抗アミロイド抗体の承認が加速している。しかし、抗アミロイド抗体の臨床的意義やリスク/ベネフィットプロファイルは、依然として明らかになっていない。

スペイン・University of Castilla-La ManchaのDanko Jeremic氏らは、抗アミロイド抗体の有効性および安全性を評価し、比較するため、従来のペアワイズメタ解析ならびに第II相および第III相臨床試験の結果を用いたベイジアンネットワークメタ解析を実施した。

主な結果は以下のとおり。

●2万1,236例を対象とした7つの治療法(バイアスリスクが低い、または多少の懸念のある研究26件)のうち、ドナネマブは、認知機能および機能的指標において最も高い評価を受けた。この評価は、aducanumabおよびレカネマブの約2倍の効果を示し、認知機能および機能の全般的な臨床的認知症尺度ボックス合計スコアにおいて他の治療法よりも有意に有益であることが示唆された。
●脳浮腫および微小出血については、ドナネマブ(NNT=8、95%CI:5~16)、aducanumab(NNT=10、95%CI: 6~17)、レカネマブ(NNT=14、95%CI:7~31)において臨床的に関連する脳浮腫リスクが認められ、ベネフィットを上回る可能性も示され、とくに注意が必要であることが明らかとなった。

著者らは「抗アミロイド抗体の中では、ドナネマブが最も有効であり、安全性プロファイルはaducanumabやレカネマブと同様であることが示された。しかし、より安全性の高い治療選択肢の必要性も浮き彫りとなった。これは、対象試験において頻繁な脳浮腫および微小出血による盲検化の解除ならびにCOVID-19パンデミックの影響により、潜在的なバイアスが生じている可能性がある」と結論付けている。


ドナネマブ(ケサンラ®)は、アルツハイマー病治療薬で、製薬会社イーライリリーが開発した新薬です。日本では、2024年9月に厚生労働省から製造販売承認を受け、2024年11月26日から保険適用での販売が開始されました。レカネマブ(レケンビ®)は、日本とアメリカの製薬会社であるエーザイ株式会社とバイオジェンが共同開発した薬です。2023年9月25日に厚生労働省から承認されました。

最新の状況は分かりませんが、レカネマブ(レケンビ®)は「国産」ということで優勢だったかもしれませんが、この記事や下の比較表をみるとドナネマブ(ケサンラ®)が優勢に思います。安全性がこれらよりも優れた薬の登場もあり得るので、今後の展開が注目されます。

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