コロナワクチン、デマ対策より「接種開始時期」が死亡者数に大きく影響か
以下は、記事の抜粋です。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにおいて、世界中でさまざまな誤情報が拡散した。これらの誤情報がワクチン忌避につながったことが多くの先行研究で報告されている。
東京大学の古瀬らの研究グループは、ワクチンに関する誤情報が、日本における新型コロナワクチン接種率およびCOVID-19による死亡者数に及ぼした影響について、数理モデルを用いて解析した。その結果、誤情報対策よりも、ワクチン導入のタイミングが、死亡者数抑制により大きな影響を与えた可能性が示された。
本研究では、COVID-19による死亡者数を予測する数理モデルを開発し、「ワクチン接種記録システム(VRS)」と、2021年9~10月に15歳以上の3万1,000例を対象とした「日本における新型コロナウイルス感染症問題および社会全般に関する健康格差評価研究(JACSIS)」のデータを解析した。
主な結果は以下のとおり。
●2021年の日本では、COVID-19による死亡者数は累計1万4,994例であった。2021年末時点での日本全体のワクチン接種率は83.4%であった。シミュレーションにより、実際のワクチン接種で死亡者数が3万117例回避されたことが示された。
●ワクチンに関する7つの誤情報を信じているかについて、ワクチン受容者の8.5%、ワクチン忌避者の36.6%が少なくとも1つの誤情報を信じていた。
●誤情報対策が失敗した場合、ワクチン接種率は83.4%から76.6%に低下し、死亡者数は1,020例増加した可能性がある。
●誤情報対策が成功した場合、ワクチン接種率は83.4%から88.0%に上昇し、死亡者数は431例減少した可能性がある。
●ワクチン接種開始が3ヵ月遅れていた場合、死亡者数は2万2,216例増加した可能性がある。
●接種開始が3ヵ月早まった場合、死亡者数は7,003例減少した可能性がある。
ワクチン接種開始が3ヵ月早ければ、COVID-19による死亡者数は半減した可能性も示唆された。誤情報対策による死亡者数の変動も決して無視できる数ではなく、パンデミックにおけるこれらの要因分析の重要性を強調している。
元論文のタイトルは、「日本における誤情報の蔓延に関連した、COVID-19ワクチン接種の実施時期と接種率による影響。」です(論文をみる)。著者は「あの」古瀬祐気氏です。
私の知り合いにCOVID-19に感染して亡くなった人が2人います。ワクチン接種開始が3ヵ月早ければ、助かっていた可能性はあると思います。
コメント
試算に使った有効性データは、すべて海外データです。一切日本のデータを用いていません。大切なところです
論文の”Data about COVID-19 vaccination and misinformation beliefs”のデータは?