牛乳の飲み過ぎは健康に悪い?スウェーデン研究
以下は、記事の抜粋です。
British Medical Journalで10月29日に発表されたスウェーデン人を対象とした調査では、牛乳摂取量の多い人は、少ない人と比べて寿命が短く、女性では骨折が増えるとの結果が示されたという。
スウェーデンのチームが実施した調査は、39~74歳の女性6万1000人を対象にした約20年にわたる観察記録と、45~79歳の男性4万5000人以上を対象にした11年間の観察記録に基づいたもの。この期間中、対象者のうち2万5500人が死亡、2万2000人が骨折を経験した。
論文によると、牛乳の摂取量が多くなっても骨折の危険性は低下せず、むしろ「死亡率の増加と関連する可能性がある」ことが分かったという。女性の10年間の死亡率は1000人当たり126人だったが、牛乳を1日3杯以上飲む人では同180人だった。1日に飲む牛乳の量が1杯以下の人では、この割合は同110人だった。女性が股関節部を骨折する割合は、牛乳摂取量が多い人で1000人中42人、平均で同35人、牛乳摂取量が少ない人で同31人だった。
男性では、死亡率の差は比較的小さく、骨折の割合では、牛乳の摂取量による違いはほとんどなかった。
一方、チーズやヨーグルトなどの発酵乳製品の摂取量は、特に女性の間での死亡率と骨折頻度の低下と関連した。理由の一つとして、牛乳には「D-ガラクトース」が多く含まれていることが論文では指摘されている。D-ガラクトースは、動物実験においては、老化を促進し、寿命を縮めるとの結果が出ている。
ただ研究チームは、今回の結果が、別の民族グループには当てはまらない可能性を指摘している。また、骨粗しょう症を患う人が、牛乳の摂取量を増やし、骨折が起きた際にその原因が牛乳にあるとされてしまう可能性もある。
記事にも書かれているように、この研究は観察研究なので、様々な交絡因子が結果に影響している可能性はありますが、症例数の多さを考えると、それなりに信用できる結論だと思います。
牛乳を多く飲んだ方が死亡や骨折の率が高いかどうかは別として、これまで信じられていた「牛乳をたくさん飲めば骨折が予防できる」というのはかなり怪しいような気がします。アメリカにいた時のテレビで”Milk does your body good!”というCMがあったのを思い出しました。
コメント
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「これまで信じられていた『牛乳をたくさん飲めば骨折が予防できる』というのはかなり怪しい」
というのは、仰るとおりです。
ケフィア、ヨーグルト、チーズなど発酵乳製品にして、ヒトが消化しにくいカゼインその他の成分を分解し、さらに各種のビタミン類を増やすことによって、はじめて栄養源として意味が出てくるのではないかと想像します。ヒトはウシと代謝がかなり違います。
『エゾウコギ商品』
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に書きました。薬物もサプリも加工の仕方がポイントということですね。代謝に影響しますから。
なお、女性が牛乳をたくさん飲む習慣があると、
(1)授乳中に乳腺炎になりやすい。
(2)体重を落とそうとしてダイエットしても牛乳を飲んでいると体脂肪率が落ちない。
という観察事実があります。
スエーデンで牛乳をたくさん飲んで骨折しやすい女性は、体脂肪率も高いのではないかと疑いました。どうなのでしょうね?
それは、さておき、性別によらず、日本人は牛乳を飲むとお腹がゴロゴロするヒトが多数派です。でも学校給食に出るので、私の兄も、
「好き嫌いは、いけませんよ」
と言われて毎日、ど根性で飲み、お腹の具合が悪くなるので、ワカモトが手放せませんでした。ワカモトを飲ませてまで子どもを頑張らせる不思議な洋風の食生活、ど根性で乗り切っても、あんまり健康にはプラスにならないのではなかろうか?…と思います。