How many cigarettes is it safe to smoke? (Hint: not many.)
以下は、記事の抜粋です。
タバコを1日に1から2箱吸うことは、肺にとって明らかに良くない。しかし、たまに喫煙を楽しむ人にとって、「タバコは1日何本までなら安全?」は非常に興味のある疑問だろう。
正解:ゼロ本
これは、コーネル大の研究者らが、121人の健常人ボランティアの尿と気管支鏡により採取した気道上皮を調べた研究から得た結論だ。
喫煙の程度は、尿中に含まれるニコチンとコチニン(cotinine、ニコチンの代謝産物)に基いて決められた。ニコチンもコチニンも検地されなかった被験者をnonsmoker、これらの値が高い者はactive smoker、値が低い者はlow-exposure smokersと分類された。
研究者らは気管支鏡による生検材料を用いて、タバコの煙によって発現が誘導される372の遺伝子をactive smokerで同定した。さらに、low-exposure smokersで強く反応する2つのグループの遺伝子は、active smokerでも最も強く反応するものと一致した。
次に、これらの遺伝子変化がおこる場合には、どの程度のニコチンとコチニンが尿中に検出されるかを調べたところ、ニコチンはどんなに低い値でも尿中に検出されれば気道上皮に遺伝子発現の変化がおこっていた。
元論文のタイトルは、”Threshold of Biologic Responses of the Small Airway Epithelium to Low Levels of Tobacco Smoke.”です(論文をみる)。
被験者の気道上皮から採取したサンプルは、マイクロアレイにより解析されました。この方法は、ゲノムワイドなmRNA発現量解析ですので、喫煙によって遺伝子発現が変化する全ての遺伝子を同定することができます。
論文の目的は、喫煙による遺伝子変化を同定し、この変化をおこすニコチンとコチニンの「閾値」と「ID50 (induction half maximal level)」を決定することです。
その結果、ニコチンには閾値は存在せず、コチニンの閾値は検出限界ギリギリの低値でした。ニコチンのID50は25ng/ml、コチニンは104ng/mlでした。
つまり、どんなに少しでもタバコを吸ったり、受動喫煙に曝されると、気道上皮はヘビー・スモーカーと同様の遺伝子発現変化をおこすということです。
ここまで言って良いのかという気もしますが、タバコは100害あって1利なしですので、こういう報道でも良いと思います。
Even a single cigarette produces enough smoke to alter genes in the lungs, according to a new study. (Los Angeles Times)
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