食事のタイミングが肥満につながるというデータは、すべて観察的な研究から示された結果でしかない

「夜遅くにとる食事」は本当に肥満につながるのか?
以下は、記事の抜粋です。


体重の増減は摂取したカロリーと消費したカロリーの収支によって引き起こされるため、食事で摂取するカロリーが大きく影響します。

ミズーリ大学の研究では、摂取カロリーを抑えるためのアプローチとして朝食時に高タンパク質の食事をとって満腹感を得ておくことで、その後の食べたいという欲求を減らし、1日の摂取カロリーを抑えることが有効であると報告されています。

この研究によると、高タンパク質の食事をとることで脳内にドーパミンが放出され「報酬を得る」という感覚が得られるとのこと。この「報酬を得る」感覚は結果的に食事量の抑制にもつながるとミズーリ大学の研究者は述べています。また同様に、カリフォルニア大学の研究でも、1日のメインの食事は夜よりも朝にとる方が肥満のリスクを軽減できるとしています。

メインの食事を行うタイミングは文化によっても変化します。例えば、スペインでは昼にメインの食事を行い、夜は軽食で済ませることが一般的です。スペインのムルシア大学の研究では、食事時間の変化がダイエットの成功に影響を与えることが示唆されており、メインの食事は夕食よりも昼食でとるほうが減量効果が高いことを報告しています。

バース大学の研究では、これまでの研究を否定する結果が示されており、朝食をとることで体重増加につながる人がいることがわかっています。このため、朝食をとることが必ずしも減量につながるわけではないことが明らかになりました。

結論として、食事のタイミングが肥満につながるというデータはすべて観察的な研究から示された結果でしかなく、根拠は何もありません。また、肥満につながる原因が食事のタイミング以外に「運動の頻度」などの普段のライフスタイルが影響する可能性が残っており、「食事のタイミングが体重や健康に影響すること」を示すには、もっと多くの証拠が必要です。


しかし、「食事のタイミングが肥満につながるというデータ」の根拠が弱いだけで、「食事のタイミングは肥満と関係がない」ことが示されたわけではありません。逆流性食道炎などのリスクを考えると、やはり寝る前にたくさんものを食べるのは避けるべきだと思います。

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