経口抗リウマチ薬JAK阻害剤トファシチニブ(tofacitinib)が日本で承認

薬食審・第二部会 新薬6製剤を審議、承認了承 経口抗リウマチ薬JAK阻害剤も
以下は、記事の抜粋です。


厚生労働省の薬食審医薬品第二部会は3月13日、新薬6製剤の承認の可否を審議し、承認を了承した。この中には既存の経口薬で効果不十分な関節リウマチへの経口JAK阻害薬であるゼルヤンツ錠(ファイザー)が含まれる。

ゼルヤンツ錠5mg(トファシチニブクエン酸塩、ファイザー):「既存治療で効果不十分な関節リウマチ」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。海外承認は米国のみで12年11月に承認された。欧州では審査中。

細胞内のチロシンキナーゼであるJanus Kinase(JAK)ファミリーを阻害する。リンパ球の活性化、機能分化および増殖に重要な役割を果たすシグナル伝達を抑制することで抗リウマチ作用を発揮する。通常5mgを1日2回経口投与する。

MTXを中心とした既存の経口薬で効果不十分な関節リウマチへの新規薬としては、注射剤の生物学的製剤が使用されている。審査中には「従来の生物学的製剤と同様に感染症や発がんリスクを伴う、同等の注意喚起が必要」、「経口薬であっても安易な使用は避けるべき」などの点が指摘された。


このブログでも注目してきた新規ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬トファシチニブ(tofacitinib)が日本でも承認されそうです。

tofacitinibは、JAKファミリーキナーゼ(JAK1、JAK2、JAK3、TYK2)の中でJAK1とJAK3を阻害すると考えられています。JAKは、サイトカインなどによって活性化され、STATファミリーの転写因子をリン酸化し、リンパ球の分化、免疫制御、炎症などにおいて重要な役割を果たしています。

tofacitinibは、他の薬物に抵抗性の重症RA患者に対して、RA治療薬としての効果が確立されているヒト型抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体製剤アダリムマブ(ヒュミラ®)と同程度の効果を示したという報告があります。

FDAが昨年の11月に承認したばかりで、ヨーロッパではまだという時に日本で承認というのは異例のスピードです。効果と値下げに期待したいと思います。

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コメント

  1. 薬害を心配するリウマチ専門医 より:

    SECRET: 0
    PASS:
    日本リウマチ学会ではこのトファチニブの重大な副作用、特に「発がん性」を懸念して、厚生労働省と発売元のファイザーに「要望書」を提出しております。詳細は日本リウマチ学会のHPを見て下さい。安易に投薬されることは、厳に慎むべきと考えます。

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