重い布団で寝ると睡眠ホルモンの分泌量が増えるという研究結果
以下は、記事の抜粋です。
もし寝つきが悪いなら、少し重みのあるお布団を使うと良いかもしれない。新たに行われた研究によると、重い布団で寝ると、睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌量が増えることがわかったという。
脳内の松果体において生合成されるメラトニンは、体を睡眠モードに切り替える手助けをする。たとえば、メラトニンは体温・脈拍・血圧などを低下させて、体に眠る準備ができたと伝える。夜に眠くなってくるのもこのホルモンのおかげだ。
研究では、被験者(20代の女性11人と男性15人)に軽い毛布か重い毛布のどちらかで眠ってもらい、それが眠りに与える影響が探られた。
実験の参加者は、まず夕食を食べてから明るい光で照らされた部屋で2時間過ごした。それから照明の光は薄暗く落とされ、午後11時の消灯まで座って過ごした。また消灯の1時間前に、軽い毛布か重い毛布にくるまってもらい、その間20分ごとに唾液のメラトニン濃度がチェックされた。
その結果、重い毛布を使ったグループのメラトニンは、軽い毛布グループより約32%多いことが判明した。ただし、メラトニンが増えたことで、睡眠の質が改善されたかどうかも明らかになっていない。どちらのグループも、就寝前・起床後ともに同じくらい眠気を感じており、睡眠時間の長さも変わりなかった。
そのため、重たい毛布で不眠や不安症などを軽減できるのかどうかもはっきりしない。
元論文のタイトルは、”A weighted blanket increases pre-sleep salivary concentrations of melatonin in young, healthy adults(重い毛布は、若年健康成人における睡眠前のメラトニン唾液濃度を増加させる)”です(論文をみる)。
下は、論文の図です。(e) の主観的眠気評価は、有意差はないにしても重い布団の方が良い可能性がありそうにみえます。できれば、若いヒトではなく、高齢者を対象にした研究をしてほしいです。
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