逆活性薬(inverse agonists):Gタンパク質共役受容体のリガンド特異的な高次構造を解明する道具
不勉強でインバースアゴニスト(inverse agonist、逆活性薬)なるものを知らなかったので、記事を探しました。以下は、その抜粋です。
Gタンパク質共役受容体(GPCR)は細胞膜を7回貫通しており、Gタンパク質との相互作用を通して細胞内への作用を生み出す。活性薬(アゴニスト)、遮断薬(アンタゴニスト)、逆活性薬(インバースアゴニスト)の3種類のリガンドがGPCRに結合し、その活性を制御する。
GPCRにおけるこれらのリガンドの活性を説明するために、受容体が不活性(R)状態と活性(R*)状態の平衡を保って存在しているという2つの状態の受容体モデルが提唱されている。活性薬は活性(R*)状態の受容体に選択的に結合して安定化させる。その結果、活性型受容体の割合が増え、受容体活性が亢進する。反対に、逆活性薬は不活性(R)状態にある受容体に選択的に結合して安定化させ、その結果、不活性型受容体の割合が増え、自発的な受容体活性が低下する。中立的な遮断薬はR状態とR*状態に対する選択性が等しく、固有の作用がなく、活性薬または逆活性薬によって生み出された作用を遮断することができる。
構成的な活性化が疾患の発症に本質的な役割を果たしている場合は、中性的なアンタゴニストではなく、インバースアゴニストのみがこの経路を逆転させることができることになります。また、インバースアゴニズムの薬理学的な例はARBなどで数多く同定されているみたいです。しかし、その臨床的重要性はまだ不明のものが多いようです。
ビラスチン(一般名:ビラノア)という抗ヒスタミン薬は、インバースアゴニストであることが強調されています(記事をみる)。下の図は、湘南いいだハートクリニックさんのブログからですが、ビラノアは、1日1回服用でもアレグラよりも効果が強い(ただし空腹時服用)ようです。しかし、この強い効果がインバースアゴニストだからかどうかは今のところ言い切れないように思います。
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