医師が患者やその家族に対して専門知識を含んだ情報を分かりやすく説明する際にChatGPTを使っている実例

ChatGPTを使って医者がどのようにして患者の治療を支援しているかという実例
以下は、記事の抜粋です。


ChatGPTは、アメリカの医師免許試験に合格できると報告されるほど精度の高い文章を生成することが可能で、さまざまな分野への応用が期待されています。そんなChatGPTを用いて患者の治療にあたる医師が実際の使用例を語っています。

ジョシュ・タマヨ・サーバー氏はChatGPTを使用して患者の治療を支援する現役の医師の1人です。しかし、サーバー氏はChatGPTを患者の病状の診断に使用していないとのこと。サーバー氏は「ChatGPTは完璧な情報を入力した場合のみ、診断アシスタントとして機能してくれますが、病状は患者によって異なるため、正確な診断を行えることはめったにありません」と述べています。

サーバー氏は患者やその家族に対して専門知識を含んだ情報を分かりやすく説明する際にChatGPTを使用しています

サーバー氏はChatGPTを患者の治療に役立てるようになった実例を紹介しています。

ある日、肺に水がたまって呼吸困難になった96歳の認知症患者が搬送されてきた際に、その3人の子どもは「脱水症状を防ぐために点滴を打ってください」と何度も主張していました。

しかし、肺に水がたまる「肺水腫」の患者に対して点滴を投与すると、病状が悪化して最悪の場合死に至る可能性があります。サーバー氏は患者の家族に対して「あなた方がお母さんのことを心配しているのはわかります」と述べた上で肺水腫患者への点滴投与の危険性を忠告するも、子どもは「母はたびたび脱水症状で点滴を打っていました。点滴を打てばすぐに良くなるはずです」と繰り返し医師に詰め寄ります。

患者の家族とのこのようなやり取りは珍しいことではないとのこと。またサーバー氏は、他の患者の診断や治療に早急にあたる必要がありました。

そこでサーバー氏は「脱水症状を発症している可能性があるも、重度の肺水腫や呼吸困難を併発している患者に点滴を投与しない理由を説明してください。母親のことを心配して混乱している人でも理解できるように、分かりやすく思いやりのある言葉で説明してください」とChatGPTに入力しました。

ChatGPTは「あなた方がお母さんのことを心配するのは当然のことです。重度の肺水腫や呼吸困難の場合、点滴を打てば水分補給ができるように思えるかもしれませんが、実際には症状を悪化させる可能性があります」と生成しました。

さらに「肺水腫になると、肺に過剰な水分がたまり、呼吸が困難になります。その状態でお母様に点滴を投与すると、肺内の水分がさらに増加する可能性があり、呼吸困難が悪化する可能性があります」と点滴を投与しない理由を説明。

また「私たち医師の目標はお母様の病状を回復させることです。医療チームは患者に対して最善のケアを行うことに専念しており、患者一人一人に合ったさまざまな治療法を用いつつ、お母様の肺の水分や脱水の状況を注意深く監視します。ご質問やご不明点がありましたら、遠慮なく医療チームに申しつけてください。私たちは一丸となって治療に取り組んでおり、お母様の回復に全力を尽くします」と生成しました。

その後サーバー氏はChatGPTが生成した文章を患者の家族に読み上げました。すると家族は納得した様子を見せ、その結果サーバー氏は治療に専念することが可能になりました。

この一件以来、サーバー氏はChatGPTを使用して患者やその家族に病状や治療のプロセスを説明するようになったとのこと。また「患者の病歴を表にする」「患者と医療スタッフが円滑なコミュニケーションができるようなメモの作成」などでサーバー氏はChatGPTを使用しています。一方でサーバー氏は「生成された文章をそのまま使用するのでなく、注意深くチェックする必要があります」と述べています。


ニューヨークタイムズの元記事のタイトルは、「医師がベッドサイドマナーの向上にChatGPTを活用」です(記事をみる)。

私の場合も、私自身が患者さんに一生懸命説明するよりも、インターネットでサーチしたページを見せて「ほら、こう書いてあります。」と言うと納得してくれることが多い気がします。ChatGPTは、診断には向いていないとしても、診断用のAIはどんどん出てくると思います。

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