ポスドクを、京都大が全国の小中高校に出前講座の講師として無料派遣

京大:博士をタダで小中高校へ派遣 就職できない若手研究者「もったいない」

以下は、記事の抜粋です。


博士号を取得したものの常勤職が見つからないポスドクを、京都大が全国の小中高校に出前講座の講師として無料派遣する。大学のPRとポスドクのキャリアアップという一石二鳥を狙う。
京大に在籍するポスドクは約1100人(06年度)。大学や研究所など常勤の研究職に就けないポスドクは全国で1万6000人以上おり、就職難が問題化している。

京大が優秀な頭脳の「宝の持ち腐れ」を少しでも解消しようと計画。子供たちに分かりやすい言葉で講義することが必要なことから、若手研究者のプレゼンテーション能力が鍛えられる上、優秀な後輩を引き寄せる効果も期待している。

京大キャンパスで開く講座もあり、京大教育推進部は「修学旅行の日程に組み込むこともできる」としている。研究者の旅費を含め、小中高校側の負担は一切ない。


ポスドクとは、「博士号を取得したものの常勤職が見つからない」状態を言うのでしょうか?
私も2年間ポスドクを経験しました。25年前、日本にはポスドクという制度はありませんでしたが、アメリカでは博士号を取得した後、研究者として独立するまでの数年間、ほぼ全ての研究者が経験するキャリアとして認められていました。私にとっても、この2年間のポスドク経験は、後の研究生活に非常に役立ちました。

アメリカのサイエンスの強みはこのポスドク制度にあるとして、日本も導入したのだと思います。しかし、もう一つの強みである若手の独立研究者(PI、Principal Investigator)制度を同時に導入しなかったために、「宝の持ち腐れ」になってしまったのだと思います。

出前講師として派遣し、小中高校教員へのキャリアパスを示すことは、現実的な対応だと思います。しかし、ポスドクに夢や希望を与える計画ではありません。また、将来に不安を持つポスドクから講義を聴いて、小中高校生が研究生活に憧れるとも思えません。

キャリア・アップというのであれば、何よりも魅力のあるPI制度を早急に確立する必要があるのではないでしょうか?京大ならできるように思います。

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