吸入薬、効果発現の要は舌を下げること

吸入薬、効果発現の要は舌を下げること
以下は、記事の抜粋です。


研究では、28~41歳の健康な非喘息のボランティア6人(男女各3人)を対象とした試験が行われた。プラセボがセットされた粉末吸入器(DPI:Dry Powder Inhaler)とエアゾール吸入器(pMDI:pressurized Metered Dose Inhaler)を用い、吸入する際に意識して舌を下げない場合と、吸入口の下に舌を入れ、舌を下げて喉の奥を広げるようにした場合の、気管への薬剤流入量の違いを内視鏡を用いて撮影した。撮影した動画から、DPIでは粉末の量を、pMDIではエアロゾルの濃度を画像解析で比較した。

主な結果は以下のとおり。

・DPI使用例において、選択された画像全体で粉末が占める割合は、舌を下げたとき60.7%だったのに対し、舌を下げていないときは17.4%だった。
・DPI全使用例において、舌を下げたほうが有意に多くの粉末が咽頭領域に達した。
・pMDI使用例において、選択された画像でエアロゾル濃度を示す平均ピクセル強度は、舌を下げたとき255だったのに対し、舌を下げていないときは154だった。
・pMDI全使用例において、舌を下げたほうが有意に多くのエアロゾルが咽頭領域に達した。

外来で患者に説明する方法
(1)「ホー」と歌うつもりで舌を下げてもらう。
舌と舌の根元を下げ、喉の奥の広がりを感じることができる。
(2)息を十分に吐いた後、大きく息を吸って、気流が喉の奥(咽頭の後壁)に当たるのを感じたか患者に確認する。感じない場合は、繰り返し練習してもらう。
(3)吸入練習器で音が鳴るか実践してもらう。

患者がこの技法を習得できれば、気管内への薬の送達が改善され、吸入薬の有効性を最大限に高めることができる。医療者は、外から見えない口腔内の状況まで考慮する必要がある。


元論文のタイトルは、”Determination of the preferred tongue position for optimal inhaler use.”です(論文をみる)。吸入薬をうまく吸入するのは難しいし、それを説明するのも難しいので、こういう具体的なやり方を書いた記事があると本当に助かります。

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コメント

  1. 山口英代 より:

    久野先生

    初めて連絡させていただきます。
    浜松市リハビリテーション病院 院内情報誌の担当しております山口と申します。
    ネットにて、この吸入のイラストを拝見しました。
    とても分かりやすいイラストで、もしよろしければ院内情報誌に載せさせていただきたいと思い連絡をいれさせていただきました。
    当院の院内情報誌にこのイラストを使用する許可をいただけないでしょうか。
    よろしくお願い致します。

    • kunotakayoshi より:

      これは私のイラストではなく、https://www.erca.go.jp/yobou/pamphlet/illust_dl/index2.htmlにあるように、独立行政法人 環境再生保全機構のものです。「コンテンツは、営利目的以外の用途に限り、文書、印刷物等で使用し、配布することができます。」と書かれているので、ご使用されても大丈夫だと思います。