慢性便秘向け新薬の第2a相臨床試験を開始=米シナジーファーマ
以下は、記事の抜粋です。
胃腸疾患バイオ製薬企業の米シナジー・ファーマシューティカルズ(OTC BB:SGYP)は、同社が権利を持つ薬剤「SP-304」の慢性便秘患者での第2a相臨床試験を開始したと発表した。
同薬剤は、慢性便秘、便秘型過敏性腸症候群、その他胃腸疾患の治療を目的としている。ヒト胃腸ホルモン「ウログアニリン」の合成アナログで、消化管上皮細胞のグアニル酸シクラーゼC (GC-C)受容体の活性化を通じて作用する。今回開始した試験では、14日間の経口投与での安全性を評価し、次段階の第2b相試験に向けて用量を決定することを目指す。
腸上皮では、guanylinやuroguanylinとよばれるペプチドが、腸管内Na濃度の上昇によって産生・分泌されます。分泌されたペプチドはGC-Cを活性化し、腸上皮細胞内で産生されたcGMPは、Na+/H+ 交換を抑制し、cystic fibrosis transmembrane conductance regulator (CFTR)を活性化します。その結果、小腸では、水、塩素、重炭酸塩が腸管へ分泌されます。また、大腸ではNaや水分の吸収が抑制されます。
SP-304は、慢性便秘(CC)、便秘型過敏性腸症候群(IBS-C)、その他胃腸疾患の治療向けの新しいクラスの非全身性薬に属します。SP-304は、uroguanylinの合成アナログです。uroguanylinは、分子内S-S結合を2つもつ16アミノ酸からなるペプチドホルモンです。下の図のようにSP-304は、uroguanylinの3番目のアスパラギン酸をグルタミン酸にかえただけのものです。
以前紹介した毒素由来のリナクロチドと正面衝突しそうです。
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