放射線科医で放射線関連の死亡リスクは上昇しない
以下は、記事の抜粋です(太字はブログ著者)。
1940年以降に医学部を卒業した放射線科医では、低線量の放射線への慢性曝露による死亡リスクの上昇はみられないとの報告が、米国立がん研究所(NCI)のAmy Berrington de Gonzalez氏らの研究で明らかになった。放射線防護、安全装置、モニタリングの向上が寄与している可能性があるという。
同氏らは、1916~2006年に医学部を卒業した放射線科医約4万4,000人と精神科医約6万5,000人のがん発症率と死亡率を比較した。精神科医を選択したのは、仕事中に放射線に曝露される可能性が低いためだという。
その結果、1940年以前に医学部を卒業した放射線科医の男性では、急性骨髄性白血病、黒色腫、非ホジキンリンパ腫など、放射線曝露に関連する疾患による死亡率が高かった。一方で、1940年以降に卒業した放射線科医の男性では、精神科医に比べて全死亡率は低く、放射線関連の死亡率の上昇は認められなかった。
元論文のタイトルは、”Long-term Mortality in 43 763 U.S. Radiologists Compared with 64 990 U.S. Psychiatrists”です(論文をみる)。
以前は、学生が放射線科を志望すると親が被ばくを理由に反対するようなこともありましたが、こういう報告があれば、そういうこともなくなると思います。
いろいろな意見はあると思いますが、今後の放射線科医は、内科的立場と外科的立場の中間という重要な立場で、バランスの良いがん治療を提供する重要な役割を担っていると思います。また、放射線科医は、自身と患者の被ばくを医学的観点からみることができる貴重な医師・科学者ですので、被ばくを理由になり手が少ないという状況は望ましくありません。
精神科医の死亡率が高いというのは何故なのでしょう?この論文には、自殺、事故死、HIV感染の3つが書かれています。なるほど、、、
コメント
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放射線科は、
「被ばくを理由になり手が少ない」のですか、
それは、現状を見誤った判断をする人が多いことを示していますね。
原発事故の後は、ノイズになる放射線や、放射線源になる埃などが管理されている職場のほうが、街中より安全です。
被曝を理由に選ぶなら、今や、お勧めの職業ですよね。