遺伝子組み換えナタネ、在来種と交雑。 生物多様性に悪影響なし?

遺伝子組み換えナタネ、在来種と交雑 環境省確認

以下は、記事の抜粋です。


遺伝子組み換えセイヨウナタネが在来ナタネと交雑したとみられる個体を、環境省が国内で初めて確認した。ナタネの輸入港や輸送路を対象とした昨年の調査で、三重県松阪市の河川敷から採取した個体を分析してわかった。

遺伝子組み換えで作られ、特定の除草剤をまいても枯れなくした除草剤耐性ナタネは、年間200万トン程度輸入されるナタネの8割ほどを占める。これがこぼれて、港周辺などで自生していることは5年前から確認されてきた。

環境省が在来ナタネと思われる個体を分析したところ、組み換えナタネの特徴である除草剤耐性に関係するたんぱく質が検出された。その種子から育てた芽にも除草剤耐性を示すものがあり、染色体数が29本で、在来ナタネ(20本)と組み換えナタネ(38本)の中間だったことから、交雑によると考えられた。

環境省外来生物対策室は、「組み換えナタネの利用承認の際に交雑の可能性は予想されていた。在来ナタネも元は外来植物で日本産の野生種と言えない」などとして生物多様性に悪影響を与える事例とはみなしていない。


この記事では、除草剤耐性について詳しくは書かれていませんが、最も一般的なグリホサート耐性について説明します。グリホサートは、芳香族アミノ酸を作るのに必要な、5-エノールピルビルシキミ酸-3-リン酸合成酵素(EPSPS)という植物の酵素を阻害します。

アグロバクテリウムという微生物は、グリホサートの影響を受けないEPSPSと同じアミノ酸を作る酵素を作る遺伝子を持っています。この遺伝子を作物に組み込むことで、グリホサートに耐性を持った作物を作ることができます。

グリホサート耐性をもつ遺伝子組換えセイヨウナタネは、カルタヘナ法に基づく第一種使用規程が承認されています(資料をみる)。環境中への拡散防止に関する特別の措置をとらなくても生物多様性への影響のおそれがないとされています。

このように、農場から拡散した、あるいは輸入品がこぼれた、除草剤耐性をもった遺伝子組換えナタネが河川敷で自生し、野生のものと交雑しても、生物多様性に影響はないとされる一方で、遺伝子ノックアウトマウスが実験室や飼育室から逃げ出した場合は、生殖能力がなくても生物多様性に影響するおそれがあるとされます。

生物多様性がわからなくなってきました。

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