オルフォルグリプロン(orforglipron)

リリーの減量薬がウォール街に衝撃を与える
以下は、記事の抜粋です。


イーライリリー(LLY)は、肥満・糖尿病治療薬市場の常識を覆したかもしれない。同社の毎日服用する経口薬「オルフォルグリプロン」は、後期臨床試験において2型糖尿病患者の平均体重減少率が約8%(40週間で約7.3㎏)に達し、停滞の兆候は見られなかった。血糖値は最大1.6%低下し、安全性プロファイルは市場を席巻している週1回の注射剤とほぼ同等だった。HbA1c値の低下率は一部の強気なアナリストの予想をわずかに下回ったものの、全体的なデータは、オルフォルグリプロンが次世代の有力候補薬であるというリリーの自信を強めるものとなった。

これは、世界規模で展開可能な針なしGLP-1薬への真の最初の試みだ。吐き気や嘔吐などの副作用は予想範囲内で、最高用量で投与を中止した患者はわずか8%だった。これは、一部アナリストが予測していた9%の中止率よりも低い数値だ。さらに重要なのは、毎日服用するため注射が不要というグリプロンの利便性が、特に注射剤が物流や供給の制約に直面している市場において、広く普及するための真の鍵となる可能性があることだ。

リリーが現在他社と一線を画しているのは、そのタイミングだ。同社は、経口GLP-1の開発競争において、ノボ ノルディスク(NYSE:NVO)、アストラゼネカ(NASDAQ:AZN)、バイキング・セラピューティクス(NASDAQ:VKTX)といったライバル企業を数年先取りしている。現在7件の後期臨床試験が進行中で、年末までに肥満症治療薬の申請も予定されているリリーは、1,500億ドル規模のGLP-1市場のうち、500億ドル規模のシェアを確固たるものにする好位置につけている。CEOのデビッド・リックス氏は、製造・流通が容易な錠剤のスケーラビリティの利点を強調した。もしオルフォルグリプロンが成功すれば、リリーにとってこの瞬間は、さらに大きなものとなるだろう。


オルフォルグリプロンは図のようにかなり大きな分子ですが、ペプチド鎖のない構造をしています。これによってリベルサス®のような飲み方の難しい経口薬とは差別化されているのだと思います。

ノボ ノルディスク社は、最初の経口GLP-1薬のリベルサス®を上市した製薬会社なので期待していましたが、体重減少効果が大きいと期待された新薬「カグリセマ」の臨床試験結果が予想を下回ったことなどから、リリーと違って株価は半減してしまいました。リリーはアメリカ、ノボ ノルディスクはデンマークという点も今のアメリカでは不利なのかもしれません。

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