ピレスロイド系殺虫剤の使用が薬剤耐性ゴキブリを生む!!

悲報かな。脅威の繁殖力を誇るチャバネゴキブリの耐性が更にアップ。殺処分不能な超進化を遂げつつある
以下は、記事の抜粋です。


人類にとって不倶戴天の敵とも言えるチャバネゴキブリだが、さらなる超進化を遂げていたようだ。ほとんどの殺虫剤に対して抵抗力を身につけるという「交差耐性」により、つい最近まで効果のあった殺虫剤がまったく効かなくなってしまうのだという。

パデュー大学のマイケル・シャーフ氏らは、アパートに潜むゴキブリに、3つの方法で殺虫剤を与えて、その効果を試すという調査を行なった。

1つめは、1種類の殺虫剤を使用。2つめは、殺虫剤を2つ組み合わせて使う。3つめは、3つの殺虫剤を1月ごとのローテーションで使うというやり方だ。そして6ヶ月間にわたり、ビールに浸したパンでゴキブリのサンプルを採取しつつ、ゴキブリの数や薬剤耐性の変化を観察し続けた。

驚いたことに、ほとんどのケースでは、ゴキブリの生息数は一定か、むしろ増加した。一番効果が薄かったのは、ローテーションによる方法だった。そして、その原因は、ゴキブリが交差耐性を発揮してしまうことだ。

交差耐性とは、ある生物がある殺虫剤に対する耐性を身につけると同時に、別の殺虫剤に対する耐性をも獲得する現象。

人が暮らすところならどこにでもいるチャバネゴキブリは、さまざまな病原菌を撒き散らし、フンなどはアレルギーの原因になる。そんな軍団が殺虫剤に対する耐性を次々と身につけながら、強力な繁殖力で一気に増えてしまうとしたら我々はどうすればよいのか?


元論文のタイトルは、”Rapid evolutionary responses to insecticide resistance management interventions by the German cockroach (Blattella germanica L.)”です(論文をみる)。以下の説明のように、チャバネゴキブリは日本でみられる一番小さな種類のゴキブリです。あの黒光りする怖そうなクロゴキブリではありません。しかし、この小さなゴキブリは世界中に分布し、さまざまな病原菌を撒き散らし、フンなどはアレルギーの原因になるとされています。


クロゴキブリ・・・体長は30~40mm。色は光沢のある黒褐色で木造の日本家屋、コンクリート造りのアパートなどの住居に多くいます。
ヤマトゴキブリ・・・体長は25~35mm。色は黒褐色で、木造の日本家屋に多く、野外にも生息しています。
チャバネゴキブリ・・・成虫の体長は10~15mm。色は黄褐色で、暖房設備の整ったオフィスビル、飲食店、ホテルなどに多くいます。

論文では、先ず最初に耐性が少ない殺虫剤を使うのが重要だと書かれています。また、家庭で使われる殺虫剤に含まれるピレスロイド系薬物に対する耐性が一番多いとも書かれています。ピレスロイド系の薬物はほとんどの家庭用の殺虫剤に含まれています。ということは、家庭用の殺虫剤を使うことがゴキブリに薬剤耐性を与えているということでしょうか?

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