インスリンを分泌する膵β細胞の増殖を促進するホルモン、ベータトロフィン(betatrophin)

インスリン分泌細胞の増殖を促進する新規ホルモン発見
以下は、記事の抜粋です。


マウスにおいて、膵臓のインスリン分泌細胞の増殖を促進する新規ホルモンが発見された。糖尿病の新しい治療法が生まれる期待が高まっている。

ハーバード幹細胞研究所のDouglas Meltonらは、マウスにおいて、インスリンを分泌する膵β細胞の増殖を促進するベータトロフィンというホルモンを発見した。

Meltonらは、まず、インスリン受容体のシグナル伝達を阻害するペプチドにより、インスリン抵抗性を誘導したマウスモデルを作製した。このマウスでは、インスリン抵抗性を代償するためにβ細胞の増殖が起こる。

研究チームは、このマウスモデルを用いて、β細胞の自己複製に関わっている遺伝子を探索し、ベータトロフィンを同定した。8週齢マウスの肝臓にベータトロフィンを発現させると、インスリンを分泌する膵β細胞の増殖が平均17倍上昇した。ベータトロフィンはヒトの肝臓にも発現していると、研究チームは言う。

「このベータトロフィンは、非常に特異的で、β細胞にしか作用せず、しかも、非常に強力な作用を持っています」と、Meltonは言う。

Meltonは、ベータトロフィンを月1回、そしておそらくは年1回注射するだけでも、膵β細胞に十分な増殖活性を誘導でき、2型糖尿病患者にインスリンを毎日注射するのと同レベルの血糖調節が可能だろうと考えている。さらに重要なのは、ベータトロフィンを投与した場合、合併症が少なくなる可能性があることだ。Meltonはまた、このベータトロフィンが1型糖尿病患者にも役立つよう期待している。

カリフォルニア大学のMatthias Hebrokは、この実験が、さらに高齢で、糖尿病になりつつあるマウスでも再現されるのかどうか、知りたがっている。

Meltonは、ヒトで臨床試験を行うのに十分な量のベータトロフィンを産生するには、あと2年ほどかかるだろうと言う。彼は、ベータトロフィンの受容体やその作用機構を明らかにするために研究を進めている。


ベータトロフィンについては、5月8日のブログ記事で紹介しました(記事をみる)。その時の内容とそれほど変わりませんが、重要なニュースなのでもう一度紹介します。

確かに、カリフォルニア大のHebrokが言うように、高齢で糖尿病になりつつあるようなマウスでもベータトロフィンがβ細胞増殖効果を発揮できるかどうかが重要だと思います。これができなければ臨床応用は難しいでしょう。

もう1つの問題は、十分量のベータトロフィンを作るのにあと2年もかかる点です。マウスのもので198アミノ酸ということでが、今でもこれぐらいのサイズのペプチドを人工合成するのは難しいのでしょうか?早く合成して効果を調べて欲しいものです。

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コメント

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    ブログ拝見しちゃいました^^興味が湧いたのでコメントしちゃいました!海外の商品に関するブログ書いているので、見ていってください^^お互い更新頑張っていきましょう!!