インフルエンザ・ウィルスが体内に侵入する動画

インフルエンザ 今季初の学級閉鎖

そろそろ今年もインフルエンザの集団感染が報告されるようになりました。新型インフルエンザやA香港型の発生が確認されているようですが、今年のワクチンは、季節性(A香港型、B型)と新型の混合ワクチンで流通量も十分だそうですので、去年のような騒ぎにはならない思われます。

インフルエンザ・ウィルスがヒトの体内に侵入する動画です。昨年のものですが、なかなか良くできているので紹介します。

動画でKeysとよばれているものは、ヘマグルチニン(hemagglutinin)だと思います。少し赤くまばらに存在するのがノイラミニダーゼ(neuraminidase)だと思います。ヘマグルチニンが細胞表面のシアル酸を含む糖鎖受容体(動画では”Locks”とよばれています)に結合することでウィルスが細胞内に侵入します。

ウィルスが細胞内に入る時、昔のサッカーボールのようなクラスリン小胞(welcoming structureとよばれている)が形成されるのが良くわかります。mini factoryとよばれているのはRNAをDNAに変える逆転写酵素だと思います。

さて、ウィルスが増殖するためには、増殖した細胞から出て行く必要があります。その時、ノイラミニダーゼが働いてシアル酸を分解して受容体を破壊し、ウィルスが細胞から離れることを可能にします。このノイラミニダーゼを阻害する薬物がタミフル(オセルタミビル)やリレンザ(ザナミビル)です。つまり、これらの薬はウイルスが細胞から離れられないようにしているのです(下図参照)。

ノイラミニダーゼ阻害薬の作用機序

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