良性発作性頭位めまい症の原因は耳石…最近知りました。

頭を動かすとめまいを引き起こす 良性発作性頭位めまい症
頭を動かしたときに生じる短時間のめまいの原因が耳石であることをごく最近知りました。以下は沢井製薬サイトの抜粋です。


頭を動かすと起こる回転性のめまい
良性発作性頭位めまい症は、めまいを引き起こす耳の病気の中でも最も多い身近なものです。じっとしているときは起こらないのですが、病名に「頭位(とうい)」とついているように、頭を動かしたときに特定の位置でめまいが起こるのが特徴です。

大きく分けると、目薬をさそうと上を向いたとき、あるいはシャンプーをしようと下を向いたときなどの縦の動きと、寝返りを打つときなどの横の動きで起こることが多いようです。

ぐるぐる回るような回転性のめまいです。1回の発作は通常1分以内の短時間でおさまるのですが、再び頭を動かすと目が回るということを繰り返します。通常、耳鳴りや難聴はありません。

耳石が剥がれ落ち三半規管に入り込むのが原因
良性発作性頭位めまい症の原因は、「耳石(じせき)」と呼ばれる炭酸カルシウムの結晶です。内耳には「蝸牛(かぎゅう)」と呼ばれる音を感知する器官と、「半規管(はんきかん)」と呼ばれる回転を感知する器官が3本あり、その間に「耳石器(じせきき)」と呼ばれる、重力や体の方向など直線加速度を感知する器官があります。

耳石器は感覚細胞(有毛細胞)の上にゼラチン質の耳石膜があり、その上に数多くの耳石がついているという構造をしています。いわばゼリーの上に小さな粒々が乗っているような状態で、頭を動かすとこの耳石が動くことで感覚細胞が刺激され、方向などを感知する仕組みになっています。

■耳の構造

何らかのきっかけで耳石が剥がれ落ち、半規管のいずれかに入り込むと、中で耳石が動くことでリンパ液の流動が起こり、その刺激でめまいが引き起こされます。本来、体が回転したときに起こるはずのリンパ流動が少し頭を動かしただけで起こってしまい、回転したような刺激の情報が誤って脳に伝わってしまうのです。ちなみに、半規管は3つあるので三半規管と呼ばれています。

なぜ耳石が剥がれ落ちるのかはまだよく分かっていません。それがいずれかの半規管に入り込み、長時間寝たきりや同じ姿勢を続けていると、元に戻らないうちに次々と蓄積して塊として大きくなり、めまいを引き起こす刺激になるのではないかと推測されます。ですから良性発作性頭位めまい症は、デスクワークや手術後など、長時間同じ姿勢を続けているときに起こりやすいのです。

また、閉経後の女性に多く見られることから、加齢に伴ってカルシウム代謝が変化することで、炭酸カルシウムである耳石が落ちやすくなるという説もあります。

良性発作性頭位めまい症はどんなとき起こりやすい?
長時間寝たきりになったとき(手術後など)
長時間同じ姿勢で頭を動かさないとき(デスクワーク、手仕事など)
朝起きたとき
閉経後(女性)
交通事故後など頭に衝撃が加わったあと
突発性難聴の後遺症として

良性発作性頭位めまい症の治療
良性発作性頭位めまい症は、多くの場合、数日で自然に軽快します。強い吐き気、、頭痛やしびれ、ろれつが回らないなど脳の病気を疑う症状がなければ、落ち着くまで安静にして様子を見ても構いません。症状が強い場合や翌日までおさまらない場合は耳鼻咽喉科を受診しましょう。

頭や体を動かすことによって耳石を戻す治療法「頭位治療(浮遊耳石置換法)」は、一番異常が起きやすい後半規管にできた浮遊耳石を出す場合に有効です。7割くらいの人に有効であることから、1週間以内に治ると言われています。また、その場でめまいがおさまる人もいます。なお、この治療法はめまい全般の治療に有効なわけではありません。自然治療が期待できる疾患であり、嘔気のある人、頸椎や腰部に疾患のある人には、この治療は行いません。

そのほか、症状に合わせて抗めまい薬、抗不安薬、睡眠導入薬、内耳の循環を改善させる薬などを併用する場合もあります。こうした治療により、多くは1〜2週間で軽快しますが、まれに長期間治らない難治性の人や、脳の病気など別の病気が隠れている場合もありますので、なかなか治らない場合は、耳鼻咽喉科を受診しましょう。

不安をコントロールして適度に頭を動かす
良性発作性頭位めまい症は治りやすい病気です。繰り返さないための対処法としては、過度に怖がって頭を動かさないよりは、可能な範囲でなるべく積極的にいろいろな方向に頭を動かすほうがよいでしょう。頭の位置を固定するような同じ姿勢を長時間続けず、適度に動くことも心掛けましょう。

就寝中は寝返りを打つほうがよく、寝る前に2〜3回枕の上で寝返り、または頭を左右に振ってから寝ることをおすすめします。枕なしで寝ると耳石器が後ろに傾き耳石が半規管に入りやすくなるので、めまいが起こりやすい人は頭の位置をやや高くして寝るほうがよいでしょう。

■良性発作性頭位めまい症を軽減する寝返り体操

なかには、振動や回転などの刺激に対する前庭自律神経反射全般が過敏になってめまいを起こしやすくなっている人もいます。生活リズムが乱れると自律神経機能が狂うので、生活全般を規則正しく整えることが大切です。


剥がれ落ちた耳石は、時間とともに吸収され症状が改善するそうです。頭位体操はその過程を促進すると考えられています。以下は、良性発作性頭位めまい症(Benign Paroxysmal Positional Vertigo)のまとめのスライドです。

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