「第4波」が“これまでと違う”と言わざるを得ない「4つ」の理由 by Prof. 西浦

西浦博 教授が緊急報告、「第4波」が“これまでと違う”と言わざるを得ない「4つ」の理由
あの「8割おじさん」が変異株の流行について説明しています。以下は、記事の抜粋です。


2021年5月1日現在、流行が上昇傾向にあるほとんどの地で、感染性や重症化率が高いと言われるイギリス由来の「英国株」が「従来株」を置き換えて拡大しつつあります。

大阪・兵庫では、酸素投与をしたい患者さんがいるのに家で待機を余儀なくされていることも多く、相当に良くない状況です。従来株によるこれまでの流行と、英国株に置き換わりつつあるこの「第4波」とでは何が変わったのかを科学的に整理して理解することが必要です。

大きく整理して4つの点で、「第4波」はこれまでと異なることがわかってきました。

1 従来株と同じかのような誤解をしたままでは、対策が遅れると、他地域で大阪のような事態になる可能性がある

感染性が高いと感染者数が増える指数関数的な増殖スピードも速くなります。これまで、この感染症の流行対策では社会・経済的インパクトに気を払う必要性が高いため、判断に時間を要することがほとんどでした。大阪の第4波の重点措置が典型例ですし、一部の自治体で大型連休前に重点措置や緊急事態宣言を見送ったところもあります。気づいたときには相当に増えている状態が起こり得ます。今後、対策の遅れが少しでもあると一気に患者が増えてしまう可能性が危惧されるのです。

2 生産年齢人口で中等症患者や重症患者が出ている

20歳から40歳代で酸素投与を要する中等症の方が圧倒的に増えました。早期の治療によって救命できることも多く、死亡リスクが高くなるということは、医療がどれだけ崩壊しているかにかかっている部分も多いと考えられるのです。医療が切迫して自宅等で療養しないといけない中等症・重症の患者がどれくらい出るかということなどです。これまでも医療が逼迫している時に致死率が高くなっていることを示唆するデータがありました。これは、十分な治療を受ければ回復するはずの患者さんも救命しにくくなることを意味しています。

3 素早い「まん延防止等重点措置」は流行のスローダウンに使うことはできる

「まん延防止等重点措置」について正しい理解をしておくことも必要です。この措置が英国株に対して「効かない」と言うのには語弊があります。再生産数は下げることができますが、「不十分なので1未満に下げ切れない」というのが実態です。

つまり、重点措置は全く無駄なのではなく、措置の内容をよりよいものに常にアップデートしながら、早期に対策を浸透させることによって感染者の増加をスローダウンさせることには使えると考えられます。感染性が上がったと言っても、伝播の場として、従来と似た屋内環境の濃厚接触で起こりやすいことも一緒です。何ともならないわけではありません。ただし、その措置を可能な限り、「遅滞なく講じないといけない」ことがスローダウンのために必要になります。そうしないと、長い間ずっと感染者数の発生が多いまま高止まりしてしまうこともあるからです。

為政者が今の状態から“脱皮”して、「票」ではなく、真に国民のことを思って責任を取れるのか、真価が問われます。そう考えると、当面は緊急事態宣言の措置で実効性の高いものを見定め、措置のオンとオフを繰り返すことになるものだと思います。五輪イベントなどを前に短期的にオフにしようとしている場合ではないのです。

4 長期的見通しが大きく変わった(高齢者の予防接種だけでは医療崩壊のリスクが残る)

更に重要なこととして、長期的な見通しが大きく変化していることに気付くことが必要です。英国株で多くが置き換わったいま、高齢者以外の成人も感染すると医療を必要とする事例が増えてきました。

これは、高齢者の予防接種が完了すれば医療が逼迫するような社会的喧騒がすぐ終わるわけではないことを強く示唆します。酸素投与や人工呼吸が必要な生産年齢人口の患者をしっかり診ることが現場に更に課されることになります。感染者数を常に少なく抑えて制御することが必要です。

最後に繰り返しますが、感染性があがったと言っても伝播の特徴は同じですし、何もできないわけではありません。政治・行政と医療へのプレッシャーが確実に大きくなり、流行期間が延びたということです。正しく怖れることはもとより、感染者数の異常な増え方を止めることに、これまで以上に皆さんの協力が求められます。


おそらく、西浦氏の予想通り、政府の決断や措置は後手後手になって「長い間ずっと感染者数の発生が多いまま高止まりしてしまう」と思います。

第4の問題を公衆衛生学的に考えれば、高齢者を優先的に摂取するよりも、社会活動が盛んな「人流」の中心の20歳から40歳代のヒトに対する接種を進めるべきでしょう。モデルナやアストラゼネカのワクチンを早く承認し、自衛隊による大規模接種の高齢者への接種をこちらに変更することを提案します。この方が日本社会全体の流行は早く収束すると思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました