「ホッケ禁漁並みの資源状態」北海道からホッケも消えていく
以下は、記事の抜粋です。
水産研究・教育機構・北海道区水産研究所は、ホッケの資源評価を公表。資源状態は依然悪く、禁漁あるいはそれに準じた水準の設定が必要とした。
科学者側は「危機的状況を周知するべき」という意見があった。一方、漁業者側からは「長い間、自主的な漁獲規制をしており、一部では回復の兆しの声も寄せられていた。生産者には受け入れがたい」などの意見もあった。
ホッケの漁獲量は、2000年代は10-15万トンで推移していたが急減。2016年は僅か1.6万トン。2012年から漁獲努力量を3割削減する「自主的な」資源管理を行ってきた。
結果として、取り返しがつかないほど、ホッケは激減してしまった。御用学者や水産庁が得意とする悪魔の言葉「自主管理」のせいだ。こうなることは当然だった。資源管理を丸投げすると、漁業者は自分で自分の首を絞めてしまう。得意の責任転嫁先である中国のせいではない。
漁獲量が減ると単価が上がる。だから小型でもなんでも、漁業者はとにかく獲ろうとする。3割削減といっても、個別に漁業者が量を減らすのではない。減るのは自分ではないと、ますます乱獲してしまう。天変地異でもない限り、回復する可能性はゼロだ。
これだけ減ってもいまだに、TAC※もない。クレージーな状態だ。いまや店や外食店のホッケは、裏返すと横縞が入っている米国かロシア産のシマホッケに代わっている。
写真は農水省の食堂で出ていた小さなホッケ。これは国産だ。なぜなら、TACと個別割当制度で資源管理している米国もロシアも、こんなに小さいホッケは獲らないからだ。
ホッケはすでにほぼ手遅れの状態。人災だ。しかしこれからでも、真剣に手を打つのか?それとも温暖化やクジラのせいにでもするのだろうか?
サンマが危ないという話を良く聞きますが、「ホッケよお前もか?」という気持ちです。確かに、最近は縞のあるホッケをよく見かけるように思います。
他のいろいろなものと同じように、組織が老化すると「自浄する」ということはなく、外圧か何かで完全に破壊されないと再生できないのでしょうか?
※TAC制度とは、「Total Allowable Catch」(漁獲可能量)の略で、魚種ごとに年間の漁獲可能量を定め、水産資源の適切な保存・管理を行うための制度です。毎年一定の産卵親魚を残し、再生産可能な資源状態を保つことを目的にしています(説明をみる)。
コメント