「レジ袋分解するガの幼虫」に疑問符、独研究
以下は、記事の抜粋です。
プラスチックを食べるガの幼虫がレジ袋などのプラスチックごみによる世界的な環境問題への対策となるかもしれないとする今年4月に発表された論文に、ドイツの研究チームが9月15日、疑問を投げ掛けた。
問題となっているスペインのフェデリカ・ベルトッチーニ(Federica Bertocchini)氏らの研究論文は、ハチノスツヅリガ(学名:Galleria mellonella)の幼虫が消化器官でポリエチレンを化学的に生物分解すると結論付けていた。
しかしドイツのの研究チームは、ベルトッチーニ氏らの研究は「ポリエチレンが生物分解されたことの十分な証拠」を示していないと主張した。
研究チームの発表によると、ハチノスツヅリガの幼虫が消化器官内で酵素によってプラスチックを分解しているのか、それともメカニカルミリング(機械的粉砕)によってプラスチックを分解しているのかが明らかにされていないという。メカニカルミリングの場合プラスチックは化学変化を起こさずに排出される。
ベルトッチーニ氏のチームは、実験室で押しつぶしたハチノスツヅリガの幼虫をプラスチックに塗ったところ、プラスチックがエチレングリコールに分解されたと報告した。
しかしドイツチームは、ベルトッチーニ氏のチームの実験結果には「エチレングリコールに不可欠なシグナル」が抜け落ちていると述べた。
ベルトッチーニ氏のチームはこれまでのところコメントの求めに応じていない。
記事に書かれているドイツの研究グループの「発表」はCORRESPONDENCEという形式でCurrent Biology誌のサイトに掲載されています。タイトルは、”Polyethylene bio-degradation by caterpillars?”です(CORRESPONDENCEをみる)。
スペインのグループの発表の真偽についてはまだわかりませんが、この蛾の幼虫を使ったポリエチレン処理が産業化できるようなレベルでないことは確かだと思います。
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