iPS細胞にも倫理的な問題は生じうる…2つの例

iPS10歳、浮上してきた新たな問題

以下は、記事の抜粋です。


技術的な長所が多いiPS細胞については加えて、「ES細胞とは違って倫理的な問題がない」と教科書やマスコミで紹介されてきた。

しかし、複数の研究者は「iPS細胞にも倫理的な問題はあり得ますよ」と口をそろえて言う。研究者たちの話を総合すると、iPS細胞の応用方法のうち主に2種類の研究で倫理的な問題が生じうる。

一つ目は、ヒトのiPS細胞を遺伝子操作した動物の胚に注入して、人間に移植可能な臓器を持つ動物をつくる研究である。現在、ブタを使っての基礎研究が進行中であり、将来的には臓器不足を解消できるかもしれない。一方で、ヒトのiPS細胞を動物の胚に入れると、個体ができる過程で膵臓など目的の臓器だけではなく、脳や生殖細胞の一部もヒト由来のものになる可能性がある。そうなれば、ブタが高い認知機能を持ったり、受精させればヒトになるかもしれない精子や卵子をつくったりするかもしれない。

もう一つは、ヒトのiPS細胞から精子や卵子といった生殖細胞をつくり出して、発生や不妊のメカニズムを解明する研究である。将来的には不妊治療などに役立つかもしれない。同時に同性愛のカップルや独身の人が子どもを持つことができるようになるかもしれず、抵抗感を持つ人もいるだろう。


こういう問題で悩む前に解決しないといけない技術的な問題も多いとは思いますが、今から考えておくことは重要だと思います。

上の2つだけでなく、結婚や親子といった社会的問題、生・死や自己・非自己といった哲学的問題などが、まだまだ出てきそうです。

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