企業 自主検査広がる…できれば抗体と唾液によるPCRを

企業 自主検査広がる 従業員の抗体把握を重視
ソフトバンクグループは6月9日、社員と家族、取引先や医療機関の関係者など4万4066人を対象に5月12日から6月8日まで行った新型コロナウイルス抗体検査の結果を公表し、陽性者数は191人、陽性率は0.43%だったと発表しました。

陽性率の内訳は医療従事者が1.79%、ソフトバンク関係者が0.23%。3万6000人を超すソフトバンク関係者では、コールセンター勤務の陽性率が0.41%と最も高く、店頭勤務は0.04%、オフィス勤務は0.17%でした。以下は、記事の抜粋です。


今回の抗体検査で陽性だった場合について、孫正義氏は「すぐにPCR検査を病院で受け専門家にみてもらった。2重、3重チェックした」と述べた。簡単な抗体検査をまず実施して、陽性の反応が出た場合は必要に応じてPCR検査でフォローしたという。

PCR検査がなかなか広がらない中、コストも安く結果も早い抗体検査を用いる企業が相次いでいる。感染の履歴がわかる抗体検査が従業員や取引先の安心につながると見ているからだ。

RIZAPグループは、社員や利用客など約3万人に実施中の抗体検査について、結果を公表する方針だ。医師のオンライン診察を経て自宅に届いたキットで検査し結果を医療機関と共有する。システム受託のSHIFT(シフト)は、検査対象を出社の多い幹部とした。戸田建設も検査キットを千組用意し、首都圏在住の社員と家族が受けられるようにした。

こうした民間企業での検査需要の拡大を見込んだ動きも、臨床検査受託会社で出てきた。大手のみらかホールディングス(HD)とビー・エム・エル(BML)が、新型コロナウイルスの抗体検査の受託を開始した。診療所などの医療機関が企業の従業員などから採取した検体を引き取って検査する。両社とも簡易キットではなく、専用の装置で判定する。抗体検査の中でも判定精度が高いとされる手法を使う。

今後の検査のあり方について、孫社長は従来のPCR検査よりも簡単な唾液によるPCRの活用も有力な初期の検査手段になると指摘した。


ソフトバンクの今回のデータは全体の陽性率が低いことやクラスターが発生したコールセンター勤務の陽性率が高かったことから、ある程度は新型コロナウイルスによる感染を反映していると思われます。

プロ野球やサッカーのJリーグでも選手全員を対象としたPCR検査が行われるようです。このような会社や組織の動きは、これまで遅れていた日本の検査体制の整備につながると思われるので歓迎です。抗体検査と唾液によるPCR検査を組み合わせるのが、検査自身の改善と今後の感染の予防や制御につながると考えます。また、このようなデータが集積すれば懸案の「無症状のヒトからの感染の有無」についてもヒントを与えてくれると思います。

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