砂糖入り飲料はやっぱり肥満の原因?関連示す米研究、相次いで発表
以下は、記事の抜粋です。
米国の肥満人口が急増している背景に炭酸飲料やフルーツ飲料があることを確認したとする論文3本が、New England Journal of Medicine誌に掲載された。
1本目の論文によると米国では、砂糖入り飲料の消費が1970年代と比べて2倍以上伸びた。この間、肥満人口も増加し、全米の30%を占めるまでになったという。
米国人男女3万3000人以上を対象に行われたこの研究では、体重に影響を及ぼすことが分かっている32の遺伝子変異を用いて被験者の遺伝子プロファイルを作成。さらに、被験者の食生活や砂糖入り飲料の消費量、運動の習慣などについても分析した。その結果、砂糖入り飲料を飲むと体重を調整する遺伝子が影響を受け、体重が増えやすい体質になる傾向が示されたという。
一方、他2本の論文では、未成年者にミネラルウォーターや人工甘味料を使用したソフトドリンクなどの低カロリー飲料を与えると、砂糖入り飲料を飲んだ場合と比較して体重が増えにくいとの結果が出た。
元論文のタイトルは、”Sugar-Sweetened Beverages and Genetic Risk of Obesity”(論文をみる)、”A Trial of Sugar-free or Sugar-Sweetened Beverages and Body Weight in Children”(論文をみる)、”A Randomized Trial of Sugar-Sweetened Beverages and Adolescent Body Weight”(論文をみる)です。
1つ目の論文の「体重に影響を及ぼすことが分かっている32の遺伝子変異」というのは、”Association analyses of 249,796 individuals reveal 18 new loci associated with body mass index”というタイトルのNature Geneticsの論文に書かれています(論文をみる)。BMIと約280万個のSNPとの関連を調べた結果、既知の14の肥満感受性座位が確認されたほか、BMIに関連する新たな18の座位が判明したそうです。これらのSNPsには、MC4R、POMC、SH2B1、BDNFなど、視床下部にあるエネルギーバランス主要制御因子をコードする遺伝子の近傍に位置するものがあります。
昨日の”Occasional Notes”とは異なり、今日の砂糖入り飲料についてのものはすべて正規の論文ですので、科学的な信頼性は高く、社会的な影響も大きいと思います。関連記事では、カロリーゼロの人工甘味料を加えた「ダイエット飲料」逆にウエストサイズを増やすという論文を紹介しました。本記事の論文と矛盾しているようですが、子供や若年者の場合は、人工甘味料でも砂糖入り飲料よりはマシなのかもしれません。喉が乾いたら、甘くない麦茶や水を飲んでおくのが無難なようです。
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