COVID-19へのイベルメクチンの裏付けは依然ない

COVID-19へのイベルメクチンの裏付けは依然ない
以下は、記事の抜粋です。


医療や保健の研究成果を総覧して意思決定に役立つ見解を示す国際組織Cochrane(コクラン)の新たな報告で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に駆虫薬イベルメクチン(ivermectin)は使うべきでないと結論されました。

これまでの裏付けは心もとなく、COVID-19の予防や治療でのイベルメクチンの効果や安全性は不確かであり、無作為化試験での検討以外でイベルメクチンをそれらの目的に使うことは道理に反します。COVID-19へのイベルメクチンの効果や安全性は裏付けがないとの見解は他からもこれまでに幾度か発表されています。

たとえばイベルメクチンを販売する製薬会社Merck & Coは今年2月にCOVID-19患者への同剤の取るに足る効果の裏付けはない(No meaningful evidence)と発表しています。

米国FDAはCOVID-19の予防や治療にイベルメクチンを使うことは認可されていないとし、使うべきでない理由を説明しています。

欧州医薬品庁(EMA)も今年3月にコクランと同様の見解を発表し、臨床試験以外でCOVID-19にイベルメクチンを使うべきでないと記しています。

世界保健機関(WHO)も同様で、COVID-19の治療にイベルメクチンを使うのは臨床試験だけに留めることを要請しています。

米国国立衛生研究所(NIH)はCOVID-19治療でのイベルメクチンの役割を明確にするまともな無作為化試験が必要と言っており、現状ではCOVID-19へのイベルメクチン使用は裏付け不十分で推奨も否定もできないとの立場を取っています。

NIHと同様に高品質の無作為化試験が急務と考えるコクラン報告の著者は31の進行中の無作為化試験を把握しており、英国オックスフォード大学によるPRINCIPLE試験はその1つで、その結果は外来でのイベルメクチン治療の価値を明らかにするのに役立つでしょう。また、NIHの無作為化試験ACTIV-6もイベルメクチンの外来治療の効果が検討項目の一つとなっています。


日本では、日本維新の会や立憲民主党がイベルメクチンのコロナに対して使うことを政府に対して強く要求しています。その結果かどうか分かりませんが、厚労省はイベルメクチンをコロナに対して認めており、保険適用の対象であるとしています。

安価な薬ですので、使うことは患者の懐や国庫の負担にはならないと思いますが、上の記事をみたら積極的に使う気にはなりません。なお、上の記事の結論にはすべてしっかりとした分権的根拠が示されています。

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