新規抗精神病薬「REXULTI®(レキサルティ)」 成人の統合失調症と大うつ病補助療法の2つの適応で米国FDAが承認
以下は、記事の抜粋です。
大塚製薬とルンドベック社は 2015年7月10日、米国FDAより成人の大うつ病(MDD)補助療法および成人の統合失調症の治療法として「REXULTI®(レキサルティ/一般名:ブレクスピプラゾール)」の承認を取得しましたのでお知らせします。「REXULTI」は大塚製薬が独自に創製し両社が共同で開発した製品でこの度の承認が世界初となります。米国では2015年8月上旬に上市予定で、両社が共同販売を行います。
「REXULTI」は、ドパミンD2受容体およびセロトニン5HT1A受容体にパーシャルアゴニストとして、また、セロトニン5HT2A受容体にはアンタゴニストとして働く、SDAM(Serotonin Dopamine Activity Modulator)と呼ばれる独自の薬理作用を有する新しい構造を持つ化合物です。大うつ病に対する抗うつ剤への補助療法に関する2つの試験、統合失調症に関する2つの試験、合計4つのフェーズ3プラセボ比較試験の結果を基に承認されました。新薬承認申請内容には、フェーズ2および3の大規模臨床試験で本剤を投与された約4,300人の患者さんのデータが含まれています。
記事には、「アリピプラゾールの代謝物や異性体ではありません」と書かれていますが、下の構造式をみると、ブレクスピプラゾールはアリピプラゾールは非常に良く似ています。左がブレクスピプラゾール、右がアリピプラゾールです。
また、薬理作用も「ドパミンD2受容体およびセロトニン5HT1A受容体にパーシャルアゴニストとして、また、セロトニン5HT2A受容体にはアンタゴニストとして働く、SDAM(Serotonin Dopamine Activity Modulator)と呼ばれる独自の薬理作用を有する」ことは、アリピプラゾールも同じです。
記事に書かれているブレクスピプラゾールとアリピプラゾールの違いは、PCPに誘発される認知障害は、ブレクスピプラゾールで改善するが、アリピプラゾールは、PCP誘発の認知障害に対する効果は確認されなかった点だけです。この改善効果は、「5-HT1AアンタゴニストのWAY-100635と併用した際に消失した」と書かれているので、アリピプラゾールの5-HT1Aアゴニスト作用は弱いのかもしれません(記事をみる)。
よほど上手く差別化をしないと、アメリカではアリピプラゾールのジェネリックが選択されるような気がします。
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