Takeda’s TAK-875 Fights Diabetes as Well as Older Drug in Study
以下は、記事の抜粋です。
武田薬品の開発した新規糖尿病治療薬が、古くから一般的に使われている薬物と同程度に効果があり、副作用が少ないという結果が得られた。
2型糖尿病患者426例の試験で、TAK-875は12週の投与により48%の症例で血糖を目標値以下に低下させた。一方、対照薬のグリメピリド(glimepiride)は40%の症例で低下させた。この結果は2月27日付のランセット誌オンライン版に発表された。
タケダは、ベストセラー薬のアクトス®が特許切れになったので、これに代る次世代糖尿病治療薬を探している。TAK-875は現在、第3相臨床試験中だそうだ。
TAK-875はGPR40アゴニストとよばれる新しいクラスの薬物で、インスリン産生を活性化するGRP40とよばれる受容体を刺激する。TAK-875が投与された患者の約2%で低血糖が認められたが、これはグリメピリドの19%よりも少なかった。また、何らかの副作用が認められた率はTAK-875で約半数、グリメピリドでは61%だった。
元論文のタイトルは、”TAK-875 versus placebo or glimepiride in type 2 diabetes mellitus: a phase 2, randomised, double-blind, placebo-controlled trial”です(論文をみる)。第2相臨床試験の報告です。
GPR40は膵島β細胞に最も高発現するGタンパク質共役受容体です。GPR40はリノレン酸などの中~長鎖不飽和脂肪酸によって活性化されます。この受容体はGαqと共役しており、PIP2を分解してジアシルグリセロールとIP3を産生します。
脂肪酸や合成リガンドによるGPR40の刺激はインスリン分泌を血糖の高いときだけ増やします。この作用のメカニズムは不明ですが、GLP-1のものとは異なるとされています。いずれにしても、GPR40を介するインスリン分泌の増強が血糖依存性なので、SU剤よりもずっと低血糖を起こしにくいそうです。
まだ例数が少なく、投与期間も短いのでわかりませんが、アクトス®(ポリグリタゾン)に続くブロックバスターになる可能性は十分にあると思います。
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