降圧薬治療による認知症リスク低下、超高齢やフレイルでも
以下は、記事の抜粋です。
イタリア・University of Milano-BicoccaのFederico Rea氏らが、一般集団の高齢者において、新たに降圧薬の服用を開始した患者について検討したところ、降圧薬治療と認知症リスクの低下の関連が示唆された。また、この関連は超高齢(85歳以上)やフレイルの患者でも同様であったという。
本研究は、2009~12年に降圧薬の服用を開始したイタリア・ロンバルディア州の65歳以上の21万5,547例のコホートで実施した。ケースは、追跡期間中(2019年まで)に認知症またはアルツハイマー病を発症した1万3,812例(年齢:77.5±6.6歳、男性:40%)で、各ケースに対して性、年齢、臨床状態をマッチさせたコントロールを5例ずつ選択した。降圧薬への曝露は、降圧薬服用が追跡期間に占める割合で評価した。
主な結果は以下のとおり。
・降圧薬への曝露は認知症リスクと逆相関していた。
・曝露が非常に少ない患者と比較して、曝露が少ない患者で2%(95%信頼区間:-4〜7%)、中間的な患者で12%(同:6〜17%)、多い患者で24%(同:19〜28%)のリスク低下がみられた。
・これは、超高齢(85歳以上)やフレイル(「1年後の死亡リスクが高い」特徴を有する)の患者においても同様であった。
元論文のタイトルは、”Risk of Dementia During Antihypertensive Drug Therapy in the Elderly(高齢者における降圧薬治療中の認知症リスク)”です(論文をみる)。
降圧薬を飲んで血圧を下げた方が認知症になりにくいのか?認知症になって降圧薬を飲まなくなったのか?いずれにしても、降圧薬は飲んでおいた方が良さそうです。
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