新型コロナ変異株KP.3

新型コロナ変異株KP.3の検出割合54.48%と急増 既存の亜系統と比較しリスクに変化なし 医師「高齢者等リスクの高い方と周囲の方は注意」
以下は、記事の抜粋です。


厚生労働省が令和6年6月14日に発表し「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況について」によると、全国の定点当たり報告数は3.99。数値としてはまだ低いものの、5週連続で増加しています。

都道府県別では、36の都道府県で増加しています。定点当たり報告数では沖縄は19.58、5週連続で10を超えています。そのほか鹿児島8.73、北海道6.67、千葉5.56、宮崎5.38、埼玉4.91、佐賀4.90、愛知4.72で多くなっています。また、気がかりなのは、KP.3と呼ばれる新たな変異株の検出が増加していることです。

◆感染症に詳しい医師は…
感染症に詳しい済生会中津病院の安井良則医師は、
「新型コロナウイルス感染症の患者は徐々に増えていますが、今は梅雨時で湿気が高く、あまり流行に適している気候とは言えないので、すぐに急増することはないと思っています。ただ、去年もそうでしたが梅雨が明ける7月から8月には患者数が増加するのでないかと予測しています。流行の規模については、まだなんとも言えない状況です」と語っています。

◆新たな変異株KP.3が急増
国立感染症研究所感染症疫学センターの第18~21週にかけての調査では、その期間に検出した新型コロナウイルスはBA.2系統が75.37%。特にKP.3という株が54.48%と最も多くなりました。KP.3は今年の3月頃から急増しています。世界的に見てもKP.2、KP.3は増加傾向にあるということですが、既存の亜系統と比較して公衆衛生的なリスクに変化はないとされています。

安井医師は「KP.3はオミクロン株の一種で、以前に流行したBA2.86から派生した株です。ワクチンや感染による中和抗体による免疫からの逃避の可能性が高く、感染しやすいというBA2.86の特徴はそのまま引き継いでいるものと思われます。また、発症しても症状には大きな違いはないと思います。とはいえ、新型コロナウイルス感染症による入院患者は高齢者が多く、特に感染した場合のリスクが高い方やその周りの方たちは、予防に十分留意していただければと思います」としています。

◆入院患者のおよそ半数が80歳以上の高齢者
厚生労働省のデータによると、今年の新型コロナウイルス感染症による入院患者の届け出数は49,623人。そのうちおよそ半数の24,282人が80歳以上の高齢者、70代の方は11,921人となっています。「3密」の回避、石けんによる手洗いや手指消毒用アルコールによる消毒、部屋の換気など、予防対策を引き続き行ってください。


沖縄では、県内53定点医療機関で6月24~30日の1週間に報告された新規の新型コロナウイルス感染者数が2週連続で増え、1医療機関当たり29・91人になったそうです。インフルエンザの場合に警報レベルの基準となる30人に迫る勢いとなっています(記事をみる)。

沖縄県以外でも同じように感染が増えるかどうかはわかりませんが、新型コロナウイルスは、次々に変異することでワクチンや治療薬に対して対応し、これからも高い感染力を持つ厄介な感染症として存在し続けるようです。

2024年5月18-24日の定点当たりのコロナ報告者数

 

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