低用量アスピリンは肝脂肪を減らす。

低用量アスピリンは肝脂肪を減らすか?~MASLD対象RCT/JAMA
以下は、記事の抜粋です。


脂肪性肝疾患の1つであるMASLD(metabolic dysfunction-associated steatotic liver disease)は、進行すると肝硬変や肝細胞がん、その他の合併症のリスクが高まるとされている。しかし、本邦においてMASLDに対する治療薬として承認されている薬剤はなく、治療法の開発が望まれている。アスピリンは前臨床研究や観察研究において、MASLDから肝線維化や肝細胞がんへの進展を抑制する可能性が示されており、MASLDの治療薬候補の1つと考えられている。

マサチューセッツ総合病院のTracey G. Simon氏らの研究グループは、海外第II相プラセボ対照無作為化比較試験を実施し、肝硬変を伴わないMASLDに対する低用量アスピリンの治療効果を検討した。その結果、低用量アスピリンは肝脂肪量を減少させることが示された。

本研究は、肝硬変のないMASLD患者80例を対象とした。対象患者を低用量アスピリン群(1日1回81mg)とプラセボ群に無作為に1対1の割合で割り付け、6ヵ月投与した。主要評価項目は、投与6ヵ月時点における肝脂肪量の変化であった。主要な副次評価項目は、投与6ヵ月時点における肝脂肪率の変化、肝脂肪量30%以上減少の達成率、肝脂肪量の変化および肝脂肪率の変化であった。

主な結果は以下のとおり。

・主要評価項目の投与6ヵ月時点における肝脂肪量の変化は、プラセボ群が3.6%であったのに対し、低用量アスピリン群は-6.6%であり、低用量アスピリン群が有意に減少した。
・投与6ヵ月時点における肝脂肪率の変化は、プラセボ群が30.0%ポイントであったのに対し、低用量アスピリン群は-8.8%ポイントであり、低用量アスピリン群が有意に減少した。
・肝脂肪量30%以上減少の達成率は、低用量アスピリン群がプラセボ群と比較して有意に高かった(42.5% vs.12.5%)。
・肝脂肪量・肝脂肪率の変化も、低用量アスピリン群がプラセボ群と比較して有意に優れた。


脂肪肝のヒトはものすごく多いです。これまで脂肪肝のヒトには、「薬はないので運動と食事制限をしてください」とアドバイスするしかなかったので素晴らしい結果だと思います。低用量アスピリンは安価で大腸がんの発生も抑制するという報告もあるので早く治療として確立して欲しいと思います。ところで、脂肪肝の原因は肥満が多いのですが、低用量アスピリンは肥満は改善してくれないのでしょうか?

元論文のタイトルは、”Aspirin for Metabolic Dysfunction–Associated Steatotic Liver Disease Without Cirrhosis:A Randomized Clinical Trial(肝硬変を伴わない代謝機能障害を伴う脂肪肝に対するアスピリン無作為臨床試験)”です(論文をみる)。

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