【プベルル酸】専門家の見解「毒性が強いと言い切るのは難しい」マウス5匹中4匹死んだ…論文は「マラリア感染させたマウスでの実験」小林製薬の紅麹問題
以下は、記事の抜粋です。
小林製薬の紅麹成分を含むサプリメントの問題で、想定外の物質の可能性として注目される「プベルル酸」。厚生労働省は「非常に毒性が強い」としています。
一方、東京工科大学の今井伸二郎名誉教授は、毒性の根拠とされる“マウス5匹中4匹が死んだ”というデータが“マラリアに感染させたマウス”の実験であることから、「マウスが死んだ原因がプベルル酸だけによるとは限らない。このデータだけ見てプベルル酸が毒性が強いと言い切るのは難しいのではないか」と話します。そしてプベルル酸自体の毒性を調べる実験は数か月かかり、別の何かと組み合わさった反応を調べるにはさらに時間がかかる、と解説します。
――3月29日、同日に会見した小林製薬と厚生労働省。小林製薬は「外部からカビが混入した可能性をゼロではない」と述べ、厚生労働省は、サプリメントから「プベルル酸」という想定外の物質を検出したと、具体的な名前が出てきました。
――もしかすると紅麹が作っていたのかもしれませんけれども、可能性としては、プベルル酸を産生するカビが汚染したっていう可能性が高いと、私は思います。
――元々プベルル酸が見つかった経緯は、マラリアに対する薬を探す過程において見つかってきたもので、ただ実際に調べてみると、比較的毒性が強いので、マラリアの薬にするにはやっぱり問題があるということで、開発されなかった経緯のある成分です。
――今井先生によりますと、「プベルル酸に腎障害を発症させる報告はない」ということ。さらに、「プベルル酸は、毒性が強いとは言い切れない、フグの1万分の1の毒性」ということです。
5匹中4匹死んだ…のはマラリア感染のマウス
元々、厚生労働省がプベルル酸が毒性が強いと言った根拠っていうのは、北里大学が出した論文を引用してるんです。北里大学の論文の中身を見てみると、「元々マラリアを感染させたマウスにプベルル酸を摂取させたときに、5匹中4匹が死んでしまった」というデータから話をしています。
ただ、毒性を評価する際には、マラリアに感染させたマウスとかではなく、普通のマウスでやるものですから、そこで死んでしまった原因というのが、プベルル酸だけによるとは限らないことになってしまうんです。ですから、私はそのデータだけから見て、プベルル酸が強い毒性が強いということを言い切るのはちょっと難しいんではないかというふうに考えています。
――元々、紅麹の中には、コレステロールの抑制作用があるモナコリンという成分が入っています。小林製薬のサプリは、コレステロールを下げるという機能を求めている製品です。当然モナコリンは多く使われてるわけですね。3錠は通常であれば、そういう「薬害が出ないような量」として使われているはずなんですけれども、副作用的にそういうような障害が出てしまったという可能性が考えられます。
また、一定の「ロットにだけ」ってことについては、多分一番新しいロットのことだと思いますが、古いロットを食べた人が、本当に発症していないかどうかっていうのはわからないです。
私もプベルル酸が腎毒性の原因の可能性は極めて低いと思います。厚労省がどうしてこんな「勇み足」をしたのか不思議です。
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