新規発症1型糖尿病患者におけるJAK阻害薬バリシチニブとβ細胞機能

新規発症1型糖尿病へのバリシチニブ、β細胞機能を維持/NEJM
以下は、記事の抜粋です。


発症100日以内の10~30歳の1型糖尿病患者に対し、バリシチニブの48週間経口投与は、プラセボ投与と比較して、混合食負荷後のC-ペプチド濃度で測定したβ細胞機能を維持すると思われることが、オーストラリアのMichaela Waibel氏らによる第II相の二重盲検プラセボ対照無作為化試験で示された。

バリシチニブなどJAK阻害薬は、サイトカインシグナル伝達を阻害することで、いくつかの自己免疫疾患に対して有効な疾患修飾薬である。バリシチニブが1型糖尿病のβ細胞機能を維持可能かどうかは明らかになっていなかった。

研究グループは2020年11月~2022年2月に、オーストラリアの医療機関4ヵ所を通じて、1型糖尿病の診断後100日以内の10~30歳を対象に試験を開始した。

被験者を無作為に2群に分け、一方にはバリシチニブ(1日1回4mg)を48週間経口投与、もう一方にはプラセボを投与した。

主要アウトカムは、48週時点の2時間混合食負荷試験中の平均C-ペプチド濃度で、濃度-時間曲線下面積で算出した。副次アウトカムは、糖化ヘモグロビン値のベースラインからの変化、1日インスリン投与量、持続血糖モニタリングで評価した血糖コントロールの指標などだった。被験者総数は91例(バリシチニブ群は60例、プラセボ群は31例)だった。

48週時点の混合食負荷後平均C-ペプチド濃度の中央値は、バリシチニブ群は0.65 nmol/L/分(0.31~0.82)、プラセボ群0.43 nmol/L/分(0.13~0.63)だった(p=0.001)。

48週時点の1日インスリン投与量平均値は、バリシチニブ群0.41 U/kg/日(0.35~0.48)、プラセボ群で0.52 U/kg/日(0.44~0.60)だった。糖化ヘモグロビン値平均値も両群で同等だった

一方で、48週時点の持続血糖モニタリングによる血糖値の変動係数平均値は、バリシチニブ群29.6%(27.8~31.3)、プラセボ群33.8%(31.5~36.2)だった。有害事象の発現頻度および重症度は両群で同程度で、重篤な治療関連有害事象は報告されなかった。


元論文のタイトルは、”Baricitinib and β-Cell Function in Patients with New-Onset Type 1 Diabetes(新規発症1型糖尿病患者におけるバリシチニブとβ細胞機能)”です(論文をみる)。

「1日インスリン投与量と糖化ヘモグロビン値は両群同等」ということなので、劇的な効果が期待できるわけではないのは残念ですが、精神的な負担が比較的軽い経口薬ですので、ある程度は期待が持てる結果だと思います。

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