ピオグリタゾン、膵癌と前立腺癌リスク増
以下は、記事の抜粋です。
ピオグリタゾン使用と膀胱癌および他の10種の癌リスクとの関連を、40歳以上の糖尿病患者約20万人のコホート分析およびコホート内症例対照分析で検証。ピオグリタゾン使用は、膀胱癌の統計的有意なリスク増加と関連せず(調整後ハザード比1.06)、前立腺癌および膵臓癌のリスク増加と関連した。
元論文のタイトルは、”Pioglitazone Use and Risk of Bladder Cancer and Other Common Cancers in Persons With Diabetes”です(論文をみる)。
ピオグラタゾンと膀胱がんの関係については、2010年9月にアメリカのFDAが、同薬と膀胱がん発症の関係を調べる10年間の臨床試験の5年間分の中間結果を発表し、同薬服用による膀胱がん発症リスクの有意な増加は認められなかったが、服用期間が長い患者群や累積投与量が多い患者群では膀胱がんリスクが増加していたという内容を報告しました。
上の発表を受けて、2011年には仏・独当局が同薬の新規処方を差し止めました。その後もいろいろな報告がありましたが、今回の20万人を対象としたコホート研究で否定されたので、膀胱がんリスクについては決着がついたようです。しかし、前立腺がんとすい臓がんのリスクの増加に関連するようです。どうなるのでしょう?
ある糖尿病の専門家が、「ピオグリタゾン(アクトス®)を患者に処方してダイエットしろと言うのは、拷問しているようなもんや。」と言っていたのを聞いてから、私はピオグリタゾンやSU薬のような食欲を刺激する糖尿病治療薬を処方していません。
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