トランス脂肪酸の安全性否定 食品への使用禁止も 米当局
以下は、記事の抜粋です。
米食品医薬品局(FDA)は11月7日、マーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸の主成分である「部分水素化油脂」は安全ではないという認識が一般的になったとの判断を示した。パブリックコメント期間を設けて食品業界などの意見を募ったうえで最終結論を出すとした。
期間中に寄せられた意見や情報を検討した上で、これが公式見解となった場合、部分水素化油脂は、食品への利用を原則禁止する添加物に分類される。
冷凍ピザやマーガリン、コーヒー用クリームなどに含まれるトランス脂肪酸は、心疾患のリスク増大との関連が指摘されている。主成分の部分水素化油脂は、マーガリンやショートニングなどの固形油脂を製造するために液状の油脂に水素を添加して人工的につくられる。
なお、一部の食肉や乳製品に天然に含まれるトランス脂肪酸は今回の規制対象には含まれない。FDAによると、「現在の摂取量であっても、健康上の重大な不安が残る」そうだ。トランス脂肪酸は悪玉コレステロールを増加させることが分かっており、摂取しても安全という基準は存在しない。
WHOも世界で供給される食品からトランス脂肪酸をなくすよう呼びかけている。過去20年でトランス脂肪酸の規制に乗り出した米国やブラジル、デンマーク、韓国などの各国では、効果が実証されているという。米疾病対策センターの試算によると、人工的に精製されたトランス脂肪酸を含む食品を避ければ、年間1万~2万人の心臓発作が予防でき、冠動脈性心疾患による死者は3000~7000人減少する。
日本では、農林水産省が「トランス脂肪酸の摂取と健康への影響」というサイトを公開しています(サイトをみる)。ここでは、WHOなどの国際機関による発表と日本及び諸外国におけるトランス脂肪酸についての評価が紹介されています。
そして、トランス脂肪酸について、「虚血性心疾患(CHD)の危険因子や虚血性心疾患の発症を増やす、これまで考えられていたよりも確実な証拠がある」、「メタボリックシンドローム関連因子及び糖尿病のリスクに加えて、致死性CHDや心臓性突然死のリスクを増やす、ほぼ確実な証拠がある」として、トランス脂肪酸の摂取量を反すう動物由来のものと工業由来のものを合わせて総エネルギー摂取量の1%未満とする目標値を設定したことが強調されています。
同サイトの「日本におけるトランス脂肪酸に関する評価」では、概要がまとめられています。私が注目したのは以下の2つです。
●脂質に偏った食事をしている個人においては、トランス脂肪酸摂取量のエネルギー比が1%を超えていることがあると考えられるため、留意する必要がある。
●食品中のトランス脂肪酸含有量については、全体として近年減少傾向にあるが、一部製品においては10%を超える製品もあることから、食品事業者においては、引き続き食品中のトランス脂肪酸含有量の低減に努める必要があると考える。
10%を超える製品の中にマーガリンがありました(サイトをみる)。漠然とマーガリンの方がバターよりも健康に良いと考えていた私にはショックでした。とはいうものの、最近は低減化が進み、問題なさそうなマーガリンも増えています。私が食べている明治のコーンソフトも最近は大幅に改善したようです(サイトをみる)。今から慌ててマーガリンをバターに代える必要はないと思います。
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