コロナ変異株EG.5が急拡大

コロナ変異株EG.5が急拡大、秋に接種始まる新ワクチンの効果は?
以下は、記事の抜粋です。


オミクロン変異株XBB系統から派生したEG.5は、今年2月17日にインドネシアで初めて確認された後、徐々に広がり、6月中旬には感染者数が急増し始めた。

この事態を警戒したWHOは、8月9日にEG.5(その亜系統を含む)の評価を「注目すべき変異株(VOI)」に引き上げた。強い感染力があるオミクロン変異株XBB.1.5やXBB.1.16と同等の分類だ。

米疾病対策センター(CDC)のデータによると、EG.5は現在、他のXBB変異株(XBB.1.5、XBB.1.16、XBB.1.9)からの置きかわりが進み、米国内で主流の新型コロナウイルス変異株となった。現在では、新型コロナ感染者の17%以上を占めている(日本の国立感染症研究所によれば、7月24日〜7月30日の調査ではEG.5.1系統が最も多く、民間検査機関のデータでもEG.5.1系統が23.6%と最も多かった)。

また、EG.5は、世界でも新型コロナ感染者の増加をもたらしている。WHOによれば、7月10日から8月6日までの28日間における新たな新型コロナ感染者は150万人近くに上り、その前の28日間より80%増加した。また、EG.5は、ワクチン接種率が高いカナダ、日本、韓国、中国を含む51カ国以上でも確認されており、割合は増加傾向にある。

EG.5は、オミクロン変異株XBB.1.9.2の子孫株だ。XBB系統は感染拡大のスピードが非常に速く、ワクチン接種やXBB以前のオミクロン変異株へのブレイクスルー感染(接種後感染)で得られた免疫を回避することがある。

EG.5がXBB.1.9.2と異なるのは、ウイルスの表面から突き出たスパイクたんぱく質に1つ変異がある点だ。このスパイクたんぱく質がヒトの細胞の受容体タンパク質(ACE2受容体)と結合すると、ウイルスは鼻腔や肺に侵入可能になる。今までに解析されたEG.5変異株の多くは、スパイクたんぱく質に2つ目の変異があり、こうした変異株はEG.5.1と名づけられている。

東京大学医科学研究所のウイルス学者、佐藤佳氏らによる予備的研究では、EG.5.1がXBB.1.5より約20%強い感染力をもつことが示され、査読前論文として発表された。

現在のワクチンと米国や日本などで秋以降に予定されている追加接種用のワクチンは、新しい変異株で多少効果が低下するとしても、新型コロナの重篤な合併症を予防できるだろう。ワクチンは感染を予防すると思いこんでいる人が多いのですが、ワクチン接種の主要な目的は、重症化リスクを低下させることです

新たな追加接種用のワクチンは、最近まで主流だった変異株XBB.1.5に対応して開発されている。(日本では9月20日以降、XBB.1.5に対応した1価ワクチンの接種が始まる)。

XBB.1.5に対応した1価の追加接種ワクチンは、EG.5のほか、秋ごろ流行しているであろうXBB系統のあらゆる派生型に対しても幅広い予防効果を発揮するでしょう

WHOは、現時点ではEG.5による重症化リスクの増加の兆候は見られないと述べている。だが、EG.5が急速に広まっているのは事実であり、これまでに獲得した免疫をすり抜ける可能性も考慮すると、秋に感染者が急増して流行の流れが一変し、重症化しやすい人々のリスクが高まる恐れも否定できない。リスクが高い人々はぜひワクチン接種を受けてください。そして接種が始まったら新しい追加接種ワクチンもお勧めします。


記事の中で誰かが言っている「新型コロナ感染症らしい症状が出たら検査キットで確認し、陽性であればマスクを着用して自宅で過ごすことです。そうすれば、この新たな変異株の拡大を抑えることができます。」に完全に同意しますが、この変異株の拡大を抑えることはできないと思います。

EG.5は、ギリシャ神話の女神の名前にちなんで「エリス」の通称で呼ばれているそうです。

 

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