HIV感染者からパートナーへの性感染、低ウイルス量ならほぼゼロ

HIV感染者からパートナーへの性感染、低ウイルス量ならほぼゼロ
スティグマと戦うにはとても良い報告だと思います。以下は、記事の抜粋です。


ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染者では、ウイルス量が低レベル(1,000コピー/mL未満)であれば、パートナーへのHIV性感染のリスクはほぼゼロであることが示された。

ウイルス量別のHIV性感染リスクを系統的レビューで評価
研究グループは、HIVのさまざまなウイルス量におけるHIV性感染のリスクに関するエビデンスを要約する目的で、系統的レビューを行った。対象は、[血清不一致カップル(一方がHIV陽性、もう一方が陰性のカップル):間のHIV性感染」「検出限界値未満=感染力がないの科学的評価」「低レベルのウイルス血症が公衆衛生に及ぼす影響」について検討した研究であった。

強力な予防キャンペーンの展開をもたらす可能性
低レベルのウイルス血症におけるHIVの性感染に焦点を当てた8編の論文(コホート研究4件、無作為化対照比較試験3件、25ヵ国の横断研究1件)が系統的レビューに含まれ、7,762組の血清不一致カップル(ほとんどが男女のカップル)が解析の対象となった。

3件の研究では、HIV陽性のパートナーのウイルス量が200コピー/mL未満の場合、血清不一致カップル間のHIV感染は認めなかった。また、4件の前向き研究では、323件の感染イベントがみられたが、抗レトロウイルス療法(anti-retrovirus therapy, ART)でHIVが安定的に抑制されていると考えられる患者では、感染イベントは発生しなかった。


元論文のタイトルは、”The risk of sexual transmission of HIV in individuals with low-level HIV viraemia: a systematic review(低レベルのHIVウイルス血症の人におけるHIVの性的伝播のリスク:系統的レビュー)”です(論文をみる)。著者も書いていますが、これらの結果は「エイズ」をめぐるスティグマ(stigma、個人の持つに対病気などに対して、周囲から否定的な意味づけをされ、不当な扱いことをうけること)と戦う上での科学的根拠となると同時に、感染者が治療や検査を受けることへの強いインセンティブになると思います。以下は、HIVとエイズに関する記事の抜粋です。


HIV感染 = エイズ ではありません。

HIVとは、ヒト免疫不全ウイルス (Human Immunodeficiency Virus)の頭文字を取ったもので、ウイルスの名前です。
一方、エイズ (AIDS) とは、後天性免疫不全症候群 (Acquired Immunodeficiency Syndrome) の略称で、HIVに感染した人が、免疫能の低下により表1に示す23の合併症のいずれかを発症した状態のことをいいます。
HIVに感染していても、この23疾患のいずれかを発症しない限りはエイズとは言いません。
つまりHIVはエイズの原因となるウイルスの名前で、エイズはHIVによって引き起こされる病気の総称です。

エイズ診断のための指標疾患

A.真菌症
  1. カンジダ症(食道、気管、気管支、肺)
  2. クリプトコッカス症(肺以外)
  3. コクシジオイデス症
    1. 全身に播種したもの
    2. 肺、頚部、肺門リンパ節以外の部位に起こったもの
  4. ヒストプラズマ症
    1. 全身に播種したもの
    2. 肺、頚部、肺門リンパ節以外の部位に起こったもの
  5. ニューモシスチス肺炎
B.原虫症
  1. トキソプラズマ症(生後1か月以後)
  2. クリプトスポリジウム症(1か月以上続く下痢を伴ったもの)
  3. イソスポラ症(1か月以上続く下痢を伴ったもの)
C.細菌感染症
  1. 化膿性細菌感染症(13歳未満で、ヘモフィルス、連鎖球菌などの化膿性細菌により以下のいずれかが2年以内に2つ以上多発、あるいは繰り返して起こったもの)
    1. 敗血症
    2. 肺炎
    3. 髄膜炎
    4. 骨関節炎
    5. 中耳・皮膚粘膜以外の部位や深在臓器の膿瘍
  2. サルモネラ菌血症(再発を繰り返すもので、チフス菌によるものを除く)
  3. 活動性結核(肺結核*または肺外結核)
    *肺結核については、HIVによる免疫不全を示唆する症状または所見がみられる場合に限る
  4. 非結核性抗酸菌症
    全身に播種したもの
    肺、皮膚、頚部、肺門リンパ節以外の部位に起こったもの
D.ウイルス感染症
  1. サイトメガロウイルス感染症(生後1か月以後で、肝、脾、リンパ節以外)
  2. 単純ヘルペスウイルス感染症
    1か月以上継続する粘膜、皮膚の潰瘍を呈するもの
    生後1か月以後で気管支炎、肺炎、食道炎を併発するもの
  3. 進行性多巣性白質脳症
E.悪性腫瘍
  1. カポジ肉腫
  2. 原発性脳リンパ腫
  3. 非ホジキンリンパ腫
    LSG分類により

    1. 大細胞型、免疫芽球型
    2. Burkitt型
  4. 浸潤性子宮頚癌(HIVによる免疫不全を示唆する症状または所見がみられる場合に限る)
F.その他
  1. 反復性肺炎
  2. リンパ性間質性肺炎/肺リンパ過形成(LIP/PLH)complex (13歳未満)
  3. HIV脳症(認知症または亜急性脳炎)
  4. HIV消耗性症候群(全身衰弱またはスリム病)

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