経口セマグルチド、2型糖尿病ではない肥満患者の体重減を確認

経口セマグルチド50mg、肥満非2型糖尿病の体重減を確認
以下は、記事の抜粋です。保険適応の有無にかかわらず、普及しそうです。そのうち、低分子化合物で同じような薬が出てくるまでは、このようなペプチド製剤が次々と出てきそうな気がします。


2型糖尿病を伴わない過体重または肥満の成人において、グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬セマグルチド50mgの68週間の1日1回経口投与は、平均15%の体重減少をもたらし、参加者の85%で臨床的に意義のある体重減少(5%以上)を達成し、安全性プロファイルは同薬2.4mgの皮下投与やGLP-1受容体作動薬クラス全体のデータとほぼ一致することが、コペンハーゲン大学のFilip K. Knop氏らが実施した「OASIS 1試験」で示された。

OASIS 1試験は、日本を含む9ヵ国50施設で実施された二重盲検無作為化プラセボ対照第III相試験であり、2021年9月13日~11月22日の期間に参加者の登録が行われた。

対象は、年齢18歳以上(日本では20歳以上)、BMI値が30以上、またはBMI値27以上で少なくとも1つの体重関連の合併症または併存疾患(高血圧、脂質異常症、閉塞性睡眠時無呼吸症、心血管疾患)を有し、2型糖尿病のない患者であった。

被験者は、生活様式への介入に加え、セマグルチド(3mgから開始し、16週で維持用量の50mgまで増量)またはプラセボを、68週間1日1回経口投与する群に無作為に割り付けられた。治療終了後は7週間のフォローアップが行われた。

複合主要エンドポイントは、68週時の体重の変化率と5%以上の体重減少の達成であった。

3分の2で10%以上、半数で15%以上、3分の1で20%以上の減量
667例が登録され、セマグルチド群に334例、プラセボ群に333例が割り付けられた。全体の平均年齢は50(SD 13)歳で、485例(73%)が女性であった。平均体重は105.4kg、BMI値37.5、ウエスト周囲長113.6cmであり、494例(74%)が白人だった。

ベースラインから68週までの体重の平均変化率は、プラセボ群が-2.4%であったのに対し、セマグルチド群は-15.1%と、減量効果が有意に優れた。

また、68週時における5%以上の体重減少の達成割合は、セマグルチド群が85%(269/317例)、プラセボ群は26%(76/295例)であり、セマグルチド群で有意に優れた。

同様に、10%以上の体重減少はセマグルチド群が69%(220例)、プラセボ群は12%(35例)、15%以上はそれぞれ54%(170例)、6%(17例)、20%以上は34%(107例)、3%(8例)で達成され、いずれもセマグルチド群で良好だった。

有害事象は、セマグルチド群が92%(307/334例)、プラセボ群は86%(285/333例)で発現した。重篤な有害事象は、それぞれ10%(32例)、9%(29例)で、試験薬の投与中止をもたらした有害事象は、6%(19例)、4%(12例)で報告された。消化器系の有害事象(ほとんどが軽度または中等度)は、80%(268例)、46%(154例)で認められた。

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