経口コロナ薬2剤(ラゲブリオ®とパキロビッド®パック)、オミクロン下での有効性

経口コロナ薬2剤、オミクロン下での有効性
以下は、記事の抜粋です。


香港では、新型コロナウイルスオミクロン株亜系統BA.2.2が流行している時期に、外来患者へのモルヌピラビル(ラゲブリオ®)またはニルマトレルビル+リトナビル(パキロビッド®パック)の早期投与が、死亡および入院中の疾患進行のリスクを低下したことが、さらにニルマトレルビル+リトナビルは入院リスクも低下したことが、香港大学のCarlos K. H. Wong氏らによる後ろ向き症例対照研究で明らかとなった。オミクロン株に対する経口抗ウイルス薬のリアルワールドでの有効性については、ほとんど示されていなかった。

高リスクCOVID-19外来患者を対象に、経口抗ウイルス薬2種の有効性を調査
研究グループは、香港病院管理局のデータを用い、香港でオミクロン株亜系統BA.2.2が主流であった2022年2月26日~6月26日の期間に、SARS-CoV-2感染が確認された18歳以上のCOVID-19非入院患者を特定した。解析対象は、重症化リスク(糖尿病、BMI≧30、60歳以上、免疫抑制状態、基礎疾患あり、ワクチン未接種)を有する軽症患者で、発症後5日以内に外来でモルヌピラビル(800mg 1日2回5日間)またはニルマトレルビル+リトナビル(ニルマトレルビル300mg[推定糸球体濾過量30~59mL/分/1.73m2の場合は150mg]+リトナビル100mg 1日2回5日間)の投与が開始された患者であった。対照群は、入院前にSARS-CoV-2感染が確認され、観察期間中に外来で経口抗ウイルス薬の投与を受けなかった患者のうち、傾向スコアがマッチする患者を選択した。

主要評価項目は、全死因死亡、COVID-19関連入院、入院中の疾患進行(院内死亡、侵襲的人工呼吸、集中治療室[ICU]入室)。

いずれも全死因死亡、入院後の疾患進行リスクを低下
COVID-19非入院患者107万4,856例のうち、地域の医療機関で2種類の新規経口抗ウイルス薬のいずれかが開始された患者は1万1,847例(モルヌピラビル群5,383例、ニルマトレルビル+リトナビル群6,464例)で、このうち適格基準を満たし傾向スコアをマッチさせた解析対象集団は、モルヌピラビル群4,983例と対照群4万9,234例、ならびにニルマトレルビル+リトナビル群5,542例と対照群5万4,672例であった。

モルヌピラビル群は対照群と比較して、全死因死亡(ハザード比:0.76)および入院中の疾患進行(0.57)のリスクが低下したが、COVID-19関連入院のリスクは両群で同等であった。一方、ニルマトレルビル+リトナビル群は対照群と比較して、全死因死亡(HR:0.34)、COVID-19関連入院(0.76)、および入院中の疾患進行(0.57)のリスクが低下した。

高齢患者においては、経口抗ウイルス薬の早期投与に関連した死亡/入院のリスク低下が一貫して確認された。


記事にも書かれていますが、オミクロン株に対する経口抗ウイルス薬のリアルワールドでの有効性については、ほとんど示されていなかったので、この論文の意義は大きいと思います。これで、有効なワクチンと治療薬の両方がそろったので、新型コロナがインフルエンザ並みの病気になるには、これら特にワクチンの普及が重要だと思います。

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