電動自転車でのトレーニングは普通の自転車よりも高い効果が得られるという研究結果
以下は、記事の抜粋です。
バッテリーでモーターを回して推進力をプラスすることができる電動自転車は、従来の自転車に比べるとずっと少ない力でこぐことができ、急な坂道でも楽々と登ることができます。そんな電動自転車を使ってトレーニングをすると、従来の自転車よりも高い効果が得られるという驚きの研究結果を、スイスのバーゼル大学が発表しています。
研究グループは、日頃運動をしていない、BMIが28から29の「前肥満」に該当する人32名を対象に調査しました。被験者のうち半分が従来の自転車で、もう半分が電動自転車で週に3日以上、6km以上の距離を、心臓モニターとGPSデバイスを装着した状態で走りました。
テストは1カ月続けられ、2グループの健康状態を測定したところ、従来の自転車でトレーニングを行ったグループは平均で毎分2.2mL/kg、電動自転車でトレーニングを行ったグループは平均で毎分3.6mL/kgと、最大酸素摂取量が増加していたことが判明しました。
この結果から、電動自転車はパワーアシストシステムが搭載されているにも関わらず、心肺能力が改善するということが判明しました。しかも、電動自転車によるトレーニングは従来の自転車よりも高い効果が見込めると研究チームは論じています。
元論文のタイトルは、”Effect of E-Bike Versus Bike Commuting on Cardiorespiratory Fitness in Overweight Adults: A 4-Week Randomized Pilot Study”です(論文をみる)。
以下は、健康長寿ネットでの最大酸素摂取量の説明です。
私たちは呼吸をすることで酸素を体内に取り入れ、酸素を利用して糖や脂質を分解することで運動エネルギーを作りだしています。運動強度が高くなったり運動継続時間が長くなったりしても、体内に十分な酸素を取り入れ利用することができる能力が全身持久力です。そのため最大酸素摂取量は全身持久力の指標として用いられます。
シャトルランや6分間歩行など体力測定の測定項目は相対的な評価であるのに対し、最大酸素摂取量の測定は絶対的な評価となり、より詳細で適切な評価をすることが可能といえます。
電動自転車の方が普通の自転車よりもトレーニング効果が上がる理由について、研究者らは、よりスピードが出る、高いところにも上がれる、などによって、運動するモチベーションが高まり、毎日のトレーニングが規則正しく続けられるからではないかと述べています。
コメント