死亡例も…子宮頚がんワクチン“危険すぎる副反応”の実態? ちょっと煽りすぎでしょう

死亡例も…子宮頚がんワクチン“危険すぎる副反応”の実態
以下は記事です。批判目的ですので、ほぼ全文を引用します。


3月7日、東京都杉並区内の女子中学生(14)が子宮頸がんワクチン『サーバリックス』を接種後、歩行障害などの重い副反応が生じ1年3ヵ月に渡って通学できない状況だったことが判明した。接種が3回必要となるこの『サーバリックス』。11年10月に杉並区内の医療機関で2回目の接種を受けた直後、接種した左腕がしびれ、腫れて痛む症状が出た。症状は脚や背中にも広がり、入院。今も割り算ができないなどの症状が残っているという。

20~30代で急増する子宮頸がんだが、ウイルスに感染している可能性が低い10歳代前半にワクチン接種することで、より効果的に発症を予防できると言われているが・・・。

「『サーバリックス』は筋肉注射のため、その痛みで失神したり、腫れたりする例が多いのですが、一時的な発熱、嘔吐やめまいに限らず、意識レベルの低下、筋力低下、紅斑など、日常生活を大きく妨げる症状も出ています」(『さとう内科循環器科医院』佐藤荘太郎院長)

実は政府は今月、子宮頸がんワクチンを原則無料の「定期接種」として受けられる予防接種法改正案を閣議決定している。多くの自治体では今、3月末までの時限的措置として無料接種を実施しているが、法案が成立すれば、4月から恒久的に行われるのだ。

現在、日本で承認されている子宮頸がんワクチンは、『ガーダシル』と『サーバリックス』のふたつ。アメリカのワクチン有害事象報告制度『VAERS』によると、『ガーダシル』『サーバリックス』の両ワクチンによる副反応被害者数は全世界で2万8千661人。死亡者数は130人にのぼっている。

「しかし、これは報告された件数だけ。実際にはこの10倍以上の被害者がいると予想されています。脳機能障害による意識低下で通知表のオールAだった少女の成績がガタ落ちしたり、月経のような出血、直腸からの出血も。なかには発熱、全身倦怠感などの症状が出だり、日本で難病に指定されているSLE(全身性エリテマトーデス)にかかり、寝たきりになった症例もあります」(佐藤院長)

厚生労働省はこの『サーバリックス』の国内での副反応の重篤症状を公開している。60ページ以上に及ぶ報告書には、09年12月に国内での販売が開始されてから’12年の8月末まで、のべ1千628件の副反応報告が綴られている。前出・佐藤院長によれば、副反応は多くの場合「1回目の注射の2、3日後に異変が起こる」ため、気になる症状が出た際は専門医の診断を仰ぐべきだという。


上の記事でも紹介されているVAERSを見てみました。ここは米国のCDCとFDAによって運用されているサイトです。上の記事では、ここに各ワクチンによる副反応被害者数や死亡者数が掲載されているかのように書かれていますが、これは誤りです。

VAERS Dataの最初にも「VAERSのデータを解釈する場合の注意事項」として以下のように書かれています。”When evaluating data from VAERS, it is important to note that for any reported event, no cause-and-effect relationship has been established.”要するに、ここに報告されている事象とワクチンとの因果関係は証明されていません。

VAERSにリンクされているCDCのサーバリックスの副作用には、最初に「サーバリックス・ワクチンは数年にわたって世界中で使用され、非常に安全である」、さらに、「人命に関わるようなアレルギー反応は極めて稀」とも書かれています。

サーバリックス・ワクチン投与により、注射部位に認められる疼痛(9/10)、発赤あるいは腫脹(1/2)、発熱(1/8)、頭痛or疲労(1/2)、吐気・嘔吐・下痢or腹痛(1/4)、筋肉痛or関節痛(1/2以下)、失神などがあげられていますが、これらは長続きせず、放置しても消失すると書かれています。

杉並区内の女子中学生が記事に書かれたような状態であることは事実のようです。しかし、「1年3ヵ月に渡って通学できない」、「割り算ができない」、「脳機能障害による意識低下で通知表のオールAだった少女の成績がガタ落ち」、「月経のような出血、直腸からの出血」、あげくの果ては、「SLE(全身性エリテマトーデス)にかかり、寝たきりになった」などの事象をすべてワクチンのせいにするのは無理があると思います。VAERSの科学的で冷静な書き方とは正反対です。

厚生労働省は3月11日、「サーバリックス」について、国内で副反応報告があったギランバレー症候群(GBS)、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)を、添付文書の重大な副反応欄に追加記載することを了承したそうです。しかし、CDCのサイトには、”In 2011, VSD active surveillance looked at specific adverse events following more than 600,000 doses of Gardasil, such as Guillain–Barré Syndrome (GBS), stroke, VTE, appendicitis, seizures, syncope, allergic reactions, and anaphylaxis. No statistically significant increased risk for any of these adverse events was detected after vaccination.”と書かれています。今のところHPVワクチンでにGBSが有意に増加するという報告はありませんが、政治が敏感に反応したということです。

「女性自身」あるいは「佐藤院長」は子宮がんが減ってしまったらなにか困ることでもあるのでしょうか?あるいは、ワクチン接種の公費負担を嫌う組織からの支援でも得ているのでしょうか?

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