パクスロビド投与でCOVID-19(オミクロン)による入院リスクが45%低減

パクスロビド投与でCOVID-19による入院リスクが45%低減
以下は、記事の抜粋です。


新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の特効薬とされるパクスロビド(一般名ニルマトレルビル・リトナビル、日本での商品名パキロビッド)は、COVID-19による入院リスクを45%低減できることが、発表された。

論文の著者であるブリガム・アンド・ウィメンズ病院のScott Dryden-Peterson氏は、「デルタ株の流行時に実施されたパクスロビドの臨床試験では90%の入院リスク低減が認められた。それに比べると劣るものの、同薬剤は依然として、インフルエンザに対するタミフルの効果に匹敵する防御率を維持している」と述べている。

今回の研究では、オミクロン株が流行していた2022年1月1日から5月15日の間に米マサチューセッツ州およびニューハンプシャー州で新型コロナウイルスに感染した50歳以上の患者3万322人のデータが分析された。主要評価項目は、COVID-19の診断から14日以内の入院であった。対象者の87.2%がCOVID-19ワクチンを接種済みであった。また、研究期間中に19.9%(6,036人)が、重症化リスクの高い患者にのみ処方されるパクスロビドを処方されていた

分析の結果、診断から14日以内に入院した患者は、パクスロビドを処方された患者で0.66%(40人)であったのに対し、同薬剤を処方されていない患者では0.96%(232人)であり、パクスロビドを処方された患者ではリスクが45%低減することが明らかになった。対象者のうちの39人がCOVID-19の診断から28日以内に死亡したが、いずれも同薬剤を処方されていない患者であった。なお、死亡患者の74%(28人)はワクチン接種完了者であった。

Dryden-Peterson氏は、「この結果は、COVID-19の発症後5日以内にハイリスク患者にパクスロビドを使用する価値があることを示すものだ」と述べている。

ジョンズ・ホプキンス大学のAmesh Adalja氏は、「この研究結果は、パクスロビドのCOVID-19による入院および死亡リスクの低減効果をリアルワールドで示したものだ。このエビデンスに基づき、重症化リスクの高い患者に対しては、ワクチンを接種していても同薬剤の投与が推奨される」と述べている。

バイデン政権は「Test-To-Treatプログラム」により同薬剤を迅速に患者に届けられるよう努めている。このプログラムにより、米国では薬局併設のクリニック、連邦政府出資の医療機関、長期ケア施設、地域ベースの施設など、数千カ所で新型コロナウイルスの検査を受けると同時にパクスロビドを受け取ることができる。また、かかりつけ医による検査を受けた場合でも効率的に同薬を受け取れるよう、取り組みが進められている。


日本でも重症化リスクの高い患者に対してはパクスロビドを投与する体制はできていますが、「併用禁忌」や「併用注意」の薬剤が多いために医師が投与を躊躇する場合が多いようです。

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