同カロリーを過食した場合、タンパク質が多い方が体重が増える。体脂肪の増加は同じ。

「同カロリーの場合たんぱく質が多い方が痩せる!」 ← 嘘でした

以下は、記事の抜粋です。


George A. Bray教授らは、健康な25人をタンパク質量の異なる食事を取る3つのグループに分けて比較したところ、「低タンパク質食群では通常タンパク質食群と高タンパク質食群より体重増加が少なく、体脂肪量の増加にはタンパク質ではなくカロリーのみが関与するようだ」と、「JAMA」誌(2012; 307: 47-55)に発表した。タンパク質量は、エネルギー消費と除脂肪体重の変化に関連することが判明したという。

教授らは、健康な男女25人(年齢18~35歳、BMI=19~30)に体重を安定させる食事を13~25日間摂取させた後、(1)エネルギーの5%がタンパク質(低タンパク質食)(2)同15%(通常タンパク質食)(3)同25%(高タンパク質食)―の3群にランダムに分類。8週間はそれらの食事を摂取させた。体重安定化期間のエネルギー摂取に比べ、各群で約40%(1日954キロカロリーに相当)摂取エネルギーを増加させた。

その結果、全ての参加者で体重が増加したが、低タンパク質食群が平均3.16キロ増、通常タンパク質食群で同6.05キロ増、高タンパク質食群で同6.51キロ増と、低タンパク質食群の体重増加率は他の2群に比べて低かった。

体脂肪量の増加は3群ともほぼ同等で、除脂肪体重は低タンパク質食群で0.70キロ減少したが、通常タンパク質食群で2.87キロ、高タンパク質食群では3.18キロ増加。安静時のエネルギー消費量は、通常および高タンパク質食群で増加した。

同教授らは「要約すると、低タンパク質食による体重増加度は、通常タンパク質食に比べて小さく、過剰カロリーの数値は同等だった。しかし、体脂肪量増加に関与したのはカロリーのみ。一方、タンパク質はエネルギー消費量と除脂肪体重の変化には関連したが、体脂肪量の増加には関連しなかった」と述べ、体脂肪量の増加に関しては、タンパク質よりカロリーが重要としている。


元論文のタイトルは、”Effect of Dietary Protein Content on Weight Gain, Energy Expenditure, and Body Composition During Overeating”です(論文をみる)。

体重安定化時に摂取するカロリーは論文の数字から計算すると、1日約2400キロカロリーです。その後の8週間は、954キロカロリー増やして約3300キロカロリー摂取したようです。記事では、増やした954キロカロリーの中、タンパク質がそれぞれ5、15、25%になるように3群に分けたと書いています。論文をみると糖質は41%で一定とし、タンパク質増加分は脂肪の減少で調節しているようです。今流行の糖質制限食とは異なります。脂肪ではなく、糖質を減らした結果も知りたいと思いました。

いずれにしても、糖質を一定にして同じカロリーを過剰に摂取した場合は、脂肪よりもタンパク質が多く摂取する方が体重が増えるようです。ただし、体脂肪の増加は同じということですので、どちらがより不健康かはわかりません。

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