電気を駆使する動物たち、電気ショックだけじゃないその利用法 デンキウナギからハリモグラまで実は色々、電気の使い方も様々
本当にいろいろな電気の使い方があります。以下は、記事の抜粋です。
電気をうまく利用して生き抜く動物たちがいる。コミュニケーション能力を発達させたり、身を守ったり、食べ物を見つけたりと、使い方も様々だ。動物が電気を使う方法は2通り。電気を発生させるか、電気を感知するかだ。
電気を発生させる動物は、発生させた電気を体外に放出する。このタイプの生物は、デンキウナギ、シビレエイ、アフリカの淡水ナマズやエレファントノーズフィッシュなど。いずれも獲物に高圧の電気ショックを与えて動きを鈍らせて狩る。
一方、電気を感知する動物は、獲物から生じる微弱な電場を感じ取ることができる。サメは電気を感知する動物で、頭部にある「ロレンチーニ器官」と呼ばれる感覚器官を使って獲物を探し出す。サメは筋肉の動き、とりわけ激しい動きによって生じる電場をとらえることができる。病気にかかった魚が苦しみのため暴れたりすれば、たちまちサメに見つかってしまう。電気を発生する動物の中には、デンキウナギやエレファントノーズフィッシュのように、電気受容器も持つものがいて、その能力を使って周囲にいる動物を見つけ出して狩りをする。
求愛のために電気を使う魚もいる。南米原産のゴーストナイフフィッシュは、交尾中にオス、メス共に尾にある器官から弱い電気パルスを出す。この軽い電気ショックは、メスによる卵子の放出とオスによる精子の放出を連係させ、同時に起こさせるそうだ。
イルカは「反響定位」、すなわち音の反射をとらえることによって物体の位置を知る能力を持つことで有名だが、淡水でも海水でも生きられるギアナコビトイルカは、獲物から発せられる電場をとらえるのだ。知られている限り、この能力を持つ海洋哺乳動物はこの1種だけだ。中南米大西洋沿岸域の濃く濁った水に適応するために、このような能力を発達させたと考えられている。
オーストラリア原産の水陸両生の哺乳動物カモノハシは、くちばしにある電気受容器を使って獲物を探知する。この高性能なくちばしを金属探知器のように使い、泳ぎながら左右に動かして、水中のザリガニやミミズを見つけ出す。カモノハシと同じ単孔目に属するハリモグラも、電気受容器を使って獲物を探す。
昆虫では、マルハナバチが花の静電気を変化させて、巣の仲間に合図を送ることが知られている。マルハナバチは非常に速く羽ばたくため、花粉を集めるときに電場が発生する。これを感知することで、ほかのハチは「あの花は花粉を取ったばかりだ」とわかるのだという。
電気ウナギが「獲物を動かすための高圧放電」と「獲物を停止させるための高圧放電」と「弱い発電をレーダーのように使う」3通りの使い方をすることは、以前の記事で紹介しました。求愛のために電気を使う魚がいるとは知りませんでした。
以下は、電気ウナギが獲物を捕らえる動画です。電気が出ると画面が赤くなります。
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