急性間欠性ポルフィリン症、RNAi薬givosiranが有効

急性間欠性ポルフィリン症、RNAi薬givosiranが有効
以下は、記事の抜粋です。


急性間欠性ポルフィリン症患者の治療において、RNAi(RNA interference:RNA干渉)治療薬givosiranはプラセボに比べ、ポルフィリン症発作をはじめとする諸症状の抑制に高い効果を発揮する一方で、肝臓や腎臓の有害事象の頻度が高いことが示された。

急性肝性ポルフィリン症の急性発作と慢性症状の病因の中心となるのは、δ-アミノレブリン酸(ALA)とポルフォビリノーゲン(PBG)の蓄積をもたらす肝臓のδ-アミノレブリン酸合成酵素1(ALAS1)のアップレギュレーションと考えられている。givosiranは、ALAS1のmRNAを標的とするRNAi治療薬であり、ALAとPBGの蓄積を防止するという。

本研究は、日本を含む18ヵ国36施設が参加した二重盲検プラセボ対照第III相試験であり、対象は、年齢12歳以上、症候性の急性肝性ポルフィリン症で、尿中ALAとPBG濃度が正常上限値の4倍以上に上昇した患者であった。

被験者は、givosiran(2.5mg/kg体重)を月1回皮下投与する群、またはプラセボを投与する群に無作為に割り付けられ、6ヵ月の治療が行われた。

主要エンドポイントは、急性間欠性ポルフィリン症(急性肝性ポルフィリン症の最も頻度の高いサブタイプ)患者における複合ポルフィリン症発作の年間発生率とした。

重要な副次エンドポイントは、急性間欠性ポルフィリン症患者におけるALAとPBGの濃度、ヘミンの使用日数、1日最大疼痛スコア、および急性肝性ポルフィリン症患者における発作の年間発生率などであった。

主要エンドポイントが74%低下、ALAは86%、PBGは91%低下
94例が登録され、givosiran群に48例、プラセボ群には46例が割り付けられた。全体の平均年齢は38.8±11.4歳、女性が84例(89%)であった。94例中89例が急性間欠性ポルフィリン症だった。

急性間欠性ポルフィリン症患者における6ヵ月後の複合ポルフィリン症発作の平均年間発生率は、givosiran群が3.2、プラセボ群は12.5であり、givosiran群で74%低かった(p<0.001)。

givosiran群で頻度が高かった重要な有害事象は、アラニン・アミノトランスフェラーゼ(ALT)値上昇(8% vs.2%)、血清クレアチニン値上昇または推定糸球体濾過量低下(15% vs.4%)、注射部位反応(25% vs.0%)であった。givosiran群の10%に、慢性腎臓病が発現した。

著者は、「肝臓や腎臓の有害事象が多かったものの、安全性プロファイルは許容できるものであった」としている。これらの知見に基づき、givosiranは急性肝性ポルフィリン症の成人患者の治療薬として、2019年11月20日に米国食品医薬品局(FDA)の、2020年3月3日に欧州医薬品庁(EMA)の承認を得ており、EMAは12歳以上での使用を承認しているという。


元論文のタイトルは、”Phase 3 Trial of RNAi Therapeutic Givosiran for Acute Intermittent Porphyria”です(論文をみる)。

急性間欠性ポルフィリン症は指定難病の1つです(難病情報センターのサイトをみる)。以下は、難病情報センターのサイトからの転載です。


1)臨床所見
①思春期以降に発症する。発症は急性のことが多い。
②種々の程度の腹痛、嘔吐、便秘(消化器症状)
③四肢脱力、痙攣、精神異常(精神神経症状)
④高血圧、頻脈、発熱など(自律神経症状)
⑤他のポルフィリン症とは異なり皮膚症状(光線過敏症)はみられない。

2)検査所見(発作時)
①尿中δ-アミノレブリン酸(ALA)の著明な増加:正常値平均値の3倍以上
②尿中ポルホビリノゲン(PBG)の著明な増加:正常値平均値の10倍以上
(緩解期にはALA、PBGが高値(正常上限の2倍以上)を示す。)


上の記事によると、月に1回の皮下注射でこれらの症状や検査値異常が著明に改善されたとされています。RANiによる治療もかなり実用段階に入ったようです。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする