抗うつ剤、軽中度の症状に効果みられず 米研究
以下は、記事の抜粋です。
軽度から中程度のうつ病には、抗うつ薬治療はほとんど効果がないとの研究結果が、1月5日の米内科学会誌Journal of the American Medical Association (JAMA)に発表された。
Pennsylvania大学のJay Fournier氏の研究チームは、一般的に処方される抗うつ薬と偽薬(プラセボ)の治療効果の比較のため、ハミルトンうつ病評価尺度で重度から軽度のうつ病と評価された成人718人を対象に6つの研究を実施した。
研究の結果、抗うつ薬は、症状の重篤度に応じて、効果が大幅に変わることが分かった。すなわち、非常に重度の症状を伴った患者には大きな効果があった一方で、軽度から中程度、重度のうつ病に対して、抗うつ薬治療の効果はまったくないかごくわずかだった。
論文は、抗うつ剤に対するこれまでの研究の大半が重度のうつ病患者に対する治療効果を調べるものであり、重度以下のうつ病治療に対する効果を証明するためには証拠が十分でないと述べた。
JAMAに掲載された総説のタイトルは、Antidepressant Drug Effects and Depression Severity: A Patient-Level Meta-analysisです(要約をみる)。
抗うつ薬は、三環系のイミプラミン(商品名トフラニール、3件)とSSRIのパロキセチン(同パキシル、3件)が使用されました。
要するに、三環系やSSRIなどの抗うつ薬は、重症のうつ病には効果があるが、軽症あるいは中等度のうつ病やうつ状態にはほとんど効果がないという、衝撃的な報告です。
うつ病100万人超す、10年で2.4倍に?でも書きましたが、日本では、軽症あるいは中等度の患者に対して、SSRIやSNRIなどの抗うつ薬が積極的に使用されています。
これらは、プラセボと同じような効果しかないのでしょうか?
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