「こんにゃくゼリー・バッシング」は続くのか?

こんにゃく入りゼリー「餅に次ぐ窒息事故頻度」

以下は、記事の抜粋です。


子供の窒息事故が相次いだこんにゃく入りゼリーの危険性について、科学的データをもとに検討していた内閣府・食品安全委員会の作業部会は、「(こんにゃく入りゼリーは)様々な食品の中でも餅に次いで窒息事故の頻度が高い」とする評価報告書を公表した。

作業部会には、小児科医や口腔学の専門家らが参加。こんにゃく入りゼリーを1億人が一口分ずつ食べた場合、死亡事故が発生する頻度(人数)を計算し、その結果、0.16~0.33人で、餅(6.8~7.6人)に比べると低いが、肉など他の食べ物よりも2倍以上高い数値であることがわかった。

また、こんにゃく入りゼリーを物理的にも検証し、「一般のゼリーに比べて倍以上の固さがあるうえ、冷やして食べると固さが増して口の中でかみ切りにくくなり、のどに詰まりやすくなる」とも指摘した。


元の報告では、餅(6.8-7.6人)、飴類(1.0-2.7人)、こんにゃく入りミニカップゼリー(0.16-0.33人)、パン(0.11-0.25人)、肉類(0.074-0.16人)です(データをみる)。

これらのデータをみれば、「餅に次ぐのは飴類で、こんにゃく入りミニカップゼリーの危険性は、飴類の1/8以下、パンよりも少し危険」というのが正確な表現ですが、記事では、飴類とパンのデータが削除されています。

読売は、「こんにゃくゼリー・バッシング」を続けたいのかもしれませんが、これでは、第2次世界大戦中の「大本営発表」と同じ、「不都合なデータを隠した記事による情報操作」です。

2008年10月1日、社民党党首福島みずほ氏は、当時の消費者行政担当大臣野田聖子氏に対して、「こんにゃくゼリーによる窒息死事故に関する緊急申し入れ」を行い、こんにゃくゼリーの製造・輸入・販売の即時禁止などを申し入れました(申入れ書をみる)。

野田大臣は、マンナンライフ社の蒟蒻ゼリーだけをストップさせました。実はこの2ヶ月前に、野田氏の選挙区に本社を持つ「浪速製菓」というメーカーが、マンナンライフの蒟蒻ゼリーにそっくりの製品を発売していました(関連記事をみる)。

今回の調査で明らかになったのは、餅の危険性が突出していることです。福島現大臣には、餅の製造・輸入・販売の即時禁止を期待しましょう。

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